震えてるのは君のほう

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演劇ドラフトグランプリ2023 感想

※本ページはプロモーションを含みます

昨年は配信で見た演劇ドラフトグランプリ、今年の12月5日は現地に行ってきました。はじめて生で来た武道館、思いの外ステージが小さく感じたのが印象的です。

昨年と同様に、各劇団の感想を書きます。

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開演30分前からレポーター組による投票方法レクチャーがあると当日判明。それって実質16:30開演じゃない!?田中涼星さんを見たい!と思ったものの、武道館に到着できたのは審査員挨拶が始まるタイミングでした。

審査員席の皆さんが基本フォーマルだった中、マガジンの編集長さんだけパーカーで来ていたのがツボにはまってちょっと笑ってしまった。

結局、17:35頃に最初の演目が開始しました。(腕時計を一瞬見た)

劇団名・公演名の見出しリンクからX(Twitter)公式アカウントで投稿されたダイジェスト動画に飛びます。

劇団『びゅー』「天へ態を招く」

【座長】高野
【演出】松崎史也
【演劇テーマ】天気
【出演者】北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介

途中から変に冷静に(これは優勝にはならないだろうなあ)と思って観てしまった。具体的にはピー音が入ったあたりと、天照大神が天の岩戸に〜というストーリー上仕方ないものの暗い中での会話がまあまあ続いたあたりで。

あと岩戸を出たあとで会場全体がパッと明るくなるカタルシスがあるかと思っていたら鏡で反射させる展開だったので(神話の勉強不足)北西ブロックの2階にいた私の、3ヶ月前にICL手術*1を受けた両目に反射光が刺さった。笑

いろいろ書いてしまったものの楽しかったし、一人ひとりのキャラが立っていたところが好きでした。男性らしさに女性らしさ、中性それぞれの魅力もあり。個人的には昨年いちばん好きだった劇団超MIX「Luda」に通ずるものがあったと感じています。

終わった後の舞台裏から「1回目(仕切り直す前)から皆さんが手拍子してくれて〜」といったコメントがありましたが、そりゃもう平日17時からの武道館公演(配信あり)で現地に集まっている観客は!本気だ!と声を大にして伝えたかった!

 

劇団『国士無双』「君だけの宝物」

【座長】染谷俊之
【演出】
中屋敷法仁
【演劇テーマ】宝箱
【出演者】糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央
TEAM | 演劇ドラフトグランプリ2023 ※敬称略

全劇団の公演を観た後で検討し、こちらに投票しました。絵的な華やかさと、コメディとシリアスの塩梅がいちばん自分の好みであったため。去年の中屋敷さん演出作品(トップバッターだった野球の話)と比べても好きでした。

強いて挙げるとしたら、トナカイ2頭がパッと見の区別をつけにくかったかなあ。

染谷サンタがマフラーを外して少年に着けてあげる場面が絶対あると思って観ていたけど最後まで無かった!

後から、あれは白いマフラーでサンタの白ひげを表現していたから着けたままだったのかもと思い至っています。帽子と付けひげという、わかりやすいけど顔と表情が見えにくくなる記号には頼らず表現する気概を(勝手に)感じました。

あの宝箱を今の自分に対して開けられたら何が出るんだろう、と想像して夢のない悲しい悲しい大人になってしまったな……と実感したりもしていた。 

糸川耀士郎さんはツイステの影響で声優としてのイメージが強かったのですが、今回で俳優さんとしての印象が上書きされた感があります。

 

劇団『品行方正』「愛のシンクロ」

【座長】七海ひろき
【演出】三浦 香
【演劇テーマ】待ち合わせ
【出演者】加藤大悟、唐橋 充、後藤 大、廣野凌大
TEAM | 演劇ドラフトグランプリ2023 ※敬称略

すごすぎた。観客というかストーリーを把握するのに必死な私を置いて物語がどんどん進んでいた。愛のシンクロ(曲の方)リリースしてください。特に「バタフライ」と「エビフライ」で韻を踏んでいたところが好き。

舞台上に座長がまだ出ていない状態で「婚約者のライラがこれから来る」といった旨の台詞があったときは(もしや七海ひろきさんが女性役として!?)と動揺したけど、やはり?美男子としての登場でした。元アーティスティックスイミング*2選手の現タレント役。

初期のドラフト時から(七海さんと三浦さんが入って昨年の全員男性から変わったことは何か影響するんだろうか)と思っていましたが、そこでの違いなどは感じなかったです。

勢いに飲まれて楽しみつつ、これが優勝ではないだろうな〜とどこかで思ってしまっていたのはありました。5作品の中でこれがいちばん尖っていた気がしたし。

後藤大さんのファーストインパクトはテニミュ3rd立海で異様にダンスのキレがよかった仁王雅治なのですが、そこから仮面ライダーギーツの五十鈴大智と今回の忍者(実は芸能記者)を経て着々とコメディ担当のイメージがつきつつあります。

 

劇団『一番星』「Last Shining Ray」

【座長】荒牧慶彦
【演出】川尻恵太
【演劇テーマ】アイドル
【出演者】木津つばさ、高橋怜也、福澤 侑、松井勇歩
TEAM | 演劇ドラフトグランプリ2023
 ※敬称略

老若男女のハートを奪った伝説のアイドルグループが影響力を持ちすぎたことをきっかけに、アイドル活動が禁止された世界。世間から隠れて観客のいないライブに励む4人の青年の前に、彼らを取り締まるための刑事が現れた……!

と、あらすじで書き出したくらいに設定とテンポ感とストーリー展開が最高に好みでした。だからこそ、話にもうひと山欲しかった感があります。

個人的には5人で歌って踊るのはあえて見せないとかでもよかったくらいなんだけど、せめて最初と最後のライブパートをちょっとずつ短くするとかで……。と言いつつ高橋怜也さんの歌を武道館で聞けたこと自体にはしっかり感激したんだけど。

高橋怜也さんといえば、4人が荒牧刑事へ順番にファンサしていた場面で私の席からは明らかに見えなかった上にカメラマンさんも間に合っていなくて会場上のスクリーンに荒牧さんだけ映っていた!(その後の3人分のファンサはしっかり映っていました)悔しかったです。笑

結果発表後に川尻さんがコメントしていた「来年呼んでいただけたらコメディでてっぺん取りたい」を応援したくなりました。

 

劇団『恋のぼり』「こいの壕」

【座長】玉城裕規
【演出】私オム
【演劇テーマ】初恋
【出演者】石川凌雅、小西詠斗、萩野 崇、服部武雄
TEAM | 演劇ドラフトグランプリ2023
※敬称略

「5月。それは、首里城が燃えた月」が胸に刺さりました。生まれ育ちが関東で身近に沖縄ルーツの方がいないのを差し引いても、無知だった。自分から積極的に触れない分野を知れるのも演劇ドラフトグランプリの醍醐味のひとつだと実感しています。

座長の玉城裕規さんが沖縄出身なので今回の題材になったのではとSNSで目にして納得でした。

車椅子の老人による沖縄戦と青春の回想を経て、過去と現在が混ざり合ったクライマックスにはぐっときました。暗いだけでなく、笑いが起きた場面もあり、爽やかで。

ではなぜ投票しなかったか。となると、個人的に(演劇ドラフトグランプリでやるものとしては)ストーリーが重く感じたことと題材的に同じ服装だった少年4人が2階席から追いにくかったことの2点が大きかったです。

そういえば「初恋の女性はその後妻になっていて子と孫(兼ね役)も〜」といった展開まで観たような気がしていた。無かったんだった。あくまでテーマの「初恋」に絞った潔さを感じました。

 

総括

アーカイブで観た昨年と比べて、どこに投票するかを考えることで見方が変わるし自分が演劇ドラフトグランプリに何を求めているのかも明確になると実感した生観劇でした。

だからこそ現地で電波が悪く投票できなかった方がいたというのが悔しい。(2階の北西からワイモバイル回線で投票できました)

他に現地特有だった体験だと、投票結果が書かれた紙が開かれたときに双眼鏡で覗けたことかなあ。といっても漢字が見えた!くらいしか分からなかった。

帰り道での疲労感は、同じく3時間休憩なしだったテニミュ大運動会と同じくらいでした。大運動会でひたすら応援してアドレナリンが出ていたのと、劇団と劇団の間などでひと息つけたのがちょうどトントンくらいという感じ。

やはり投票タイムで席を立てたのがありがたかったです。お手洗いから席に戻るときに迷ったものの、係員さんに助けてもらって再開に間に合いました。

来年も、それ以降もぜひ演劇ドラフトグランプリが恒例行事として続いてほしい!レポーターのお二人と鈴木拡樹さんの役者としての姿も見たいです。どうぞよろしくお願いします。

 

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*1:眼内コンタクトレンズで視力を回復させる手術。照明に光の輪が被って見えるようになる

*2:シンクロナイズドスイミングの名前が変わっていたことを「愛のシンクロ」で知りました