BACKBEAT再演のプレビュー公演を観ました。A.B.C-ZツアーグッズのZephyr黒シャツの上にレザージャケットを羽織り、スキニージーンズを履いて形から気持ちを作って行ってきました。
初演を一度観ていて、ほどよく細部を忘れていた状態での感想です。
※この作品は性的な発言や表現、不貞、男性から女性への暴力、心身を病み苦しむ姿の描写が(私の感覚ではそれぞれそこまで過激ではないと思うものの)有りました。以降の感想で特に触れませんが、念のため前提として記載します
場面場面で感じたことを時系列順に箇条書きでぽんぽん挙げました。文体を整えきっていない、メモの延長的な感想です。
記憶の限り初演から大きく変化したところは無かったので、基本的に初演を観た方ならネタバレになることはないはず。
- こんなに分かりやすい猥雑さだったりあざといセクシー仕草(頻繁なシガーキスとか、ジョンがスチュの絵が売れた小切手?を口で受け取るとことか)があったんだっけ?と動揺しました。たぶん再演で変わったというより自分の心持ちが違っている。
- ロビーに「喫煙シーンは無害な水蒸気タバコを使っています」と注意書きがあったけど、水蒸気タバコといえば電子のイメージだったので見た目が紙巻きでびっくり。
- ネオンサインが降りてきて(これこそバックビート!)とテンションが上がった
- ジョンと話すアストリッドに愛加あゆさんスタイルがいい〜!とうっとりした。これは今回はじめて思ったことだけど、初演の夏子さんと比べてというより最近キングアーサーで加藤和樹さんと安蘭けいさんの並びに心を奪われていたのでそれを連想したというのが大きいです。最近「加藤さんと宝塚OGさん」が好きだと自覚したので。
- アストリッドとのデートの約束を取り付けたスチュが(ポールの弾き語りをバックに)ポエムを語るのを(知ってる〜)と思いながら観ていた。彼のソロ曲「星が光っていると思っていた」でのパフォーマンスと部分的に重なって見えました。なんというか全体的に、スチュのこの感じが本人の言動とそれなりに近いというのが凄い。
- レコーディングの前日の場面でジョンが「スチュ。スーチュ」と呼びかけるときの声が優しかった
→追記、2回目(東京5/27夜)だとこの場面は苛立ちのにじんだ声でした。毎回ライブ感というかフィーリングがあるんだな〜と思います。
あと一幕のラストでジョージが荷物いっぱい持ってるのが可愛かったです。キャリー引いて肩からトートバッグも提げてて。
プレビュー公演では両手に荷物を持ってるのがポールかジョージか分からなくてじっと見ている間に暗転してしまってたんだけど、多分ほぼ確実にジョージがそうでした。それにしても辰巳くんはほんとに顔が小さい!
- 工藤広夢さんが楽しそうでつられて笑顔になった。台詞がなく身体表現に全振りしていたキングアーサーの鹿とはまた違った魅力でした。
カールベルガー
— 工藤 広夢(Hiromu Kudo) (@Mu_ton910) 2023年4月23日
最初はただのビートルズが演奏するクラブの店員にすぎませんが、ビートルズに出会い、感化され、影響を受けていきます。
カールが店員からMCまで成長していったように、僕もたくさん成長していきたいです🔥
会場アナウンスもカールがやらせてもらってます🤣#BACKBEAT pic.twitter.com/kizddcAkNi
(ここまでが一幕。ここから二幕)
- アストリッドがスチュの髪を切る場面で、ふとバックの演奏に目を向けたらジョンがギターの背面を表に向けて弾く真似をしていて何事!?と焦った。何だったんだろう。スチュの不在に気を取られている、あるいは投げやりになっている表現?
- 一幕でジョンがスチュに呼びかける声は優しかったのに、Love Me Tenderを歌ってステージを離れるスチュを呼び止めようとするときのジョンの声は執着がにじんでいて声色の差が恐ろしかった。まあ野心と執着で暴走する姿を演じる加藤和樹さんが大好きなわけですが……。
- キャンバスが3枚出てきた場面、客席から見ていちばん左の紫の絵が戸塚さんがTwitterにアップしていたものに見えたけど違いました。
塗っとる。Painting.
— A.B.C-Z (えーびーしーずぃー) (@abcz_official) 2023年4月19日
戸塚祥太#ABCZ#Painting#Lilac#ライラック#初恋の香り pic.twitter.com/ZvlpEYqqqy
- スチュを探すジョンが断続的に鼻をくんくんさせていて(嗅覚で!?)と思った。犬!?犬なのか!?そういう笑いどころなのか!?と。
- 星空がぱっと出てきて(これ初演で好きだったシーンだ!)と思い出しました。ここでのスチュとジョンとアストリッドのやり取りは先日観た「マリー・キュリー」と通ずるものがあったと感じます。パートナー間の愛と、違う道を歩く親友との愛が同時に存在していたところが。
- ポールとジョンが作曲するシーンは、先日有識者さんのツイートを目にしていたことで微笑ましく観られました。ポールの目線で想像された背景に触れたことで、作中で攻撃的な発言が多いポールへの印象が和らいだ気がします。
- The Beatlesのマネージャー(プロデューサー?)として出てきたのが東山光明さんで沸きました。キングアーサー後の再会を楽しみにしていたのです。ケイを演じていたときのコミカルさとはまた違った、渋い大人の魅力がありました。
#BACKBEAT お稽古の日々🌸
— 東山光明 / MITSUAKI→HoneyLDays (@MITSUAKI_Field) 2023年3月24日
待ちに待った生バンドの演奏を体感
もの凄〜く上がるのです🎸
この面子お分かりですよね?⚔🐏🦌 pic.twitter.com/mAJmXBlhQX
- ピートが脱退を告げられた場面、初演ではメンバーを下に見るような発言をしていた彼の自業自得が強いと思っていたけど、今回は同様の発言もありつつ素直に気の毒だなあと感じました。ピートがどうというよりあくまで仕事相手の意向として仕方ないこともある、というのが納得いくようになったということなのか。
- スチュが病に苦しむ場面で、初演を観たときは自分も頭痛がして嫌な臨場感があったのを思い出していた。最近は舞台開演の数時間前に頭痛の気配がしたら先回りして痛み止めを飲むようにしてるのやっぱり正解だな、と物語から一歩引いた思考になってしまった。
- スチュの死後(みんな葬儀だから髪セットしてないんだっけ→いやこの時期のビートルズは皆マッシュなのか)と思ったし、初演も同じ流れをやった気がする
なんだか全体的に初演で感じたドロドロや重さがなくなって(減って)さっぱり受け止められたと思います。
たとえばスチュの葬儀でのジョンの荒れようも、初演当時は感情表現の大きさに動揺したけど今回は(自分自身が身近だった親族との死別を経験したこともあり)「あれだけ親友だと思っていたんだから、ジョンの元々の性格の描き方も踏まえて充分ありうることだよね」といったように感じました。
単純に初演を観ていて流れをひと通り知っていた上での観劇だったことと、何事も素直に受け止めるようになった変化が主な原因なのかなとは思いつつ。帰り道で「初演より全体的に展開のテンポが早くなっていた」と話す方の声を聞いたので再演で削られた場面もあったのかもしれない。
最後に江戸川区総合文化センターの記録。今後のBACKBEAT公演は別会場だけど、またここにお世話になる時に備えて書いておきます。
新小岩駅の南口からバスに乗って着きました。バスは同じ目的の女性陣で混み合っていたので降りてからの道のりはスムーズでした。5分ないくらいだったとはいえ最寄りのバス停からも歩くので、雨だと辛そう。
会場の雰囲気は、昨年10月の宝塚花組「フィレンツェに燃える」全国ツアー神奈川公演で行った神奈川県民ホールに近いものがありました。
開場前に建物内3階のレストランで食べたアップルパイ。
お急ぎの方におすすめ!すぐ出てくるクイックメニューのハヤシライス、というのもあったのでしっかり食事をするにもよさそう。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。具体的な差分や生演奏のパワーアップ感などは具体的に感想に落とし込めなかったものの、自分の物の見方や感じ方が変化したことは実感しました。
東京公演にも行く予定なので、楽しみです。ビーバッパルーラ!
初演の感想はこちらです。