震えてるのは君のほう

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ミュージカル「キングアーサー」感想 1/28昼

1月28日昼公演、ミュージカル「キングアーサー」に行ってきました。加藤メレアガンに宮澤グィネヴィア、平間ランスロット回。

グィネヴィアって名前の圧がすごいな。舞台上で呼ばれている時はなんとも思わなかったけど、こうして文字にすると気になる。

昨年8月末、製作発表の動画を見て歌唱に心を打たれたことで取っていたチケットです。

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アーサー王物語を知らなかったものの、昔やっていたFGO(しかも彼らがメインで出てくるストーリーの前に挫折している)だけの知識でもすんなりストーリーが入ってきました。

アーサー・ペンドラゴンに魔術師マーリン、円卓の騎士や聖杯など名前を知っていたことで舞台上での出来事がわかりやすかったです。

ただゲームのメインキャラから円卓の騎士を7人だと思っていたので、舞台上で10人超えてて多いな!?と驚いた。無事にイメージが修正されました。

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開演の数分前に駆け込みで入場したら、演出上の都合ということで開始3分を最後列で立ち見してから席への案内でした。まだ客席が明るいのに立って待つのがもどかしかった。やっぱり余裕を持って着かないといけないな、席の近かった方々には申し訳なかったです。

「OSLO」も新国立中劇場だったけど、その時より少し狭い箱なように感じました。セットの使われ方なのか、席の位置が違った関係なのか。

 

製作発表の映像で見ていた歌を生で聴けただけでも感慨深かったのに加藤和樹さんが黒服に肩までの髪を編み込んでいて、もうこの時点で来てよかったな〜と思っていたら安蘭けいさんのモルガンも美しく、さらに二幕ではこの2人のシーンもあって……と加速度的に最高が更新されていった3時間でした。

安蘭けいさんのモルガンには「蜘蛛女のキス」を思い出す魅力がありました。最後アーサーの背に手を回さず去ったのは、弟への情が湧きそうになったのを振り切るためだったのかな。紫のアイシャドウとダークレッドの艶やかなリップが本当に素敵でした。

復讐に燃える姿はずっと美しかったけど、それでもやっぱり彼女はあの形での退場でよかったと思います。

 

演出も好きでした。特に「円卓」の使い方。舞台の床に対して垂直に吊るされていると思ったら平行に降ろされて目を見張った。

それとステージ左右の壁にも映像を映していて、星空や土煙を映していたときに空間が広く感じられてよかったです。そしてマーリンが鳥になって飛び立つ場面での使われ方がこの演出の本領発揮!と感じました。

あの場面でマーリンが最後に言い残していた「狼と鹿によろしくな」の意味がその場でわからず、後からあの劇団四季(のキャッツ)みたいだった2人のことか!と思い至っています。最初たしかに狼と鹿だと言っていたのに、そのあと色々とあって覚えきれていなかった。

マーリンといえばケイとの会話も楽しかったです。重いストーリーの中で場が明るくなる場面でした。ケイのことを(鬼滅の刃の)善逸みたいだな〜と微笑ましく見ていたけど、アーサーと血が繋がっていないことがわかっても彼を家族だと言い切った姿にはぐっときました。

 

歌の1曲ずつが長かったな、とは思います。特に一幕。休憩込み3時間って長いし、場面ひとつひとつを1割くらいずつ短くしたら全体をもう10分くらいコンパクトにできる余地がありそうだった。

というより曲のサウンドの感じが好みと違ったのかも。ストーリーに対して全体的に軽くない?と感じてしまった。(ポップな曲を歌う安蘭けいさんを観られたのはよかったけど)

製作発表の動画冒頭で歌われていた2曲が荘厳寄りだったので、そことのギャップもあったと思います。稽古場映像などは見ていなかったので、イメージが偏っていた。劇場で聴いた中だと、グィネヴィアとランスロットが歌っていた曲の曲調が好きです。

グィネヴィアがアーサーとランスロットの間で思い悩む場面では「マドモアゼル・モーツァルト」を思い出しました。コンスタンツェがモーツァルトとの心の距離に悩み、フランツに惹かれていったあの感じ。

ウルトラマンデッカーを何度か見たことがあったのに、舞台上の宮澤佐江さんがあのサワ副隊長と同一人物だったとは全く気付かなかったです。演技の仕方や雰囲気ががらっと違っていました。

 

休憩で先行特典のフォトカードを引き換えに行ったら、特典受け取りかと思った列はキャストボード撮影の列でした。間違えてしばらく並んでしまった。後でSNSで見たら写真入りのキャストボードだったので、混んでいたのも納得。

物販にも寄って加藤メレアガンの舞台写真とアクリルカードを購入しました。ロビー内にグッズの見本があり、アクリルカード800円なのにしっかり厚い!と思った勢いで買ったのでグッズ見本の展示には販促効果があります。

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アクリルカードってどう使えばいいのか、実は未だによくわかっていない。

 

休憩中に見た舞台写真のラインナップの中にもあって期待していた安蘭けい様と加藤和樹さんのシーン、本当に、本当によかった……。黒と紫を基調としたビジュアルもおふたりの声量も「復讐心に燃え手を組む2人と見せかけて強かな女(安蘭けい様)に利用される男(加藤和樹さん)」というシチュエーションも何もかも。双眼鏡でじっくり観たいのにどちらを視界に入れるか全然選べなかった。

稽古場映像にも残っていて、本当に嬉しいです。

【チケット絶賛販売中】ミュージカル『キングアーサー』稽古場映像【♪誓いなさい/メレアガン:加藤和樹、モルガン:安蘭けい、アンサンブル】 - YouTube

これが愛、空も飛べそう、生まれた意味がわかる、等々と少し前の場面でランスロットが歌っていたのと同じ気持ちになりました。あとは女児アニメなんかで「私やっぱり○○が好き!」って覚醒や変身する回がありますが、私も今ならこの熱い気持ちで覚醒できそうだと思ったくらい。

とはいえアーサーを騎士に任命してからのメレアガンは憑き物が落ちたように新しい始まりだと歌っていたので、アーサーの信奉者に一転するかと思いきや結局は復讐に走ってしまったことに狼狽えました。モルガンも多少誘導していたけど、さすがに本人の意思がないとあそこまでにはならない。

余談ですが昨年webで知った小説『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』を読んでいたので、その作中にあった「両肩に剣を置いて宣言することで騎士に任命する」流れを見ることができて感激しました。今年アニメ化もするので楽しみ。

あとメレアガンについては加藤和樹さんと伊礼彼方さんがダブルキャストで同じ役を演じるというのがぴんと来ていなかったのですが(北斗の拳ミュージカルの初演でそれぞれトキとジュウザを演じていた印象が強かったので)実際に観たら伊礼さんが演じている姿もイメージできて感覚的に納得できています。

 

そして最後に。この感想の序盤で見終えた直後の気持ちの総括として「どんどん最高が更新された3時間だった」と書きましたが、なんだかんだ今回のキングアーサー観劇で最終的に一番印象に残ったのは後から知った「浦井健治さんが41歳だった」ことかもしれない。

初見がミュージカルColorだったことで20代のイメージに引っ張られているのを差し引いても、全く40代とは思えない主人公感とフレッシュさだと思います。(特撮ファンの夫に「浦井さん観てきたんだ!クウガのラスボスだ」と言われ「クウガやってた時期と計算が合わなくない?別の人のことじゃないの」と聞き返したことで判明しました)

やっぱり全部持っていくパワーがあるのは、アーサー王こと座長のようです。

 

今回観たキャストさんの、過去の出演舞台の感想はこちら。

浦井健治さん

安蘭けいさん

加藤和樹さん