震えてるのは君のほう

You’re Dream Maker.

舞台「HELI-X 〜スパイラル・ラビリンス〜」感想

6/3の夜公演で「HELI-X 〜スパイラル・ラビリンス〜」を観てきました。星元裕月さんをはじめて観た「天使は桜に舞い降りて」と同じサンシャイン劇場

HELI-Xシリーズは初見で、役者さん4人を目当てに行ってきました。星元さんと平野さん、彩凪さんに天真さんです。チケットもぴあキャスト先行の星元さん枠でした。

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「繭期」TRUMPシリーズのようなゴシック系?と想像していました。(TRUMPシリーズも未見なので、ジャンルが近そうという印象だったというのが正確かも)

観劇前に、衣装展示のレセプションパーティー配信も見ていました。

そういえば配信の中で説明されていた皮膚や内臓をイメージして作られたという衣装が作中に出てくるかな〜と思って観ていたけどわからなかった。前作で出ていたということなんだろうか。

本編を知る前は、配信で出た「人類はついに性別から解放された」というフレーズにどんなストーリーかとわくわくしていました。序盤でシリーズ設定の説明(大戦後の人類は後天的に性別を変更できるTRANSという技術を得た、そしてTRANS適用者の一部は特殊能力を持つことがわかり能力者はHELI-Xと呼ばれるようになった)があったときも。

望まずその技術を適用された人ばかりが出てくるとは思いもしていなかった。無理やり男性の身体にされた、女性として生きていたかったと慟哭するサッドネスの姿では映画ミッドナイトスワンの凪沙を連想しました。

稽古期間中の星元さんのツイートを見たときから、辛い作品だという覚悟はしていたんだけど。

星元さんの顔が大好きで、真っ白なレースとフリルの衣装も相まって(お人形さんみたい)と噛み締めつつひたすら双眼鏡で眺めていたので「私はお人形じゃない」という台詞に罪悪感が湧きました。

クライに「私よりあなたの方が生きている価値がある」と訴える場面では(そんなことない)と心で呼びかけたかったけど、絶対的にどうかはともかく相対で比較したらそう感じてしまうのは責められないと共感してしまった。

回想でうかがえた短い場面の中でも、彼はひたすらに人格者だったので。ビジュアルもHUNTER×HUNTERみたいで格好よかったです。

なんだか小学生くらいの頃に「もし自分と初対面の誰かのどちらか1人しか助からない状況になって、相手の人が自分を助けてくれようとしたとしても例えばもし途中でその人が尾田栄一郎さんだとわかったら自分は諦めるべきか」と想像したことを思い出しました。待っている人の数の桁が違うし、自分の方が助かってワンピースがもう出ないとなったら(ネットが今ほど普及していなかった当時でも)マスコミや世間から叩かれるんだろうかと怖くなった記憶。

 

セーレからイシスへの感情(いわゆる「クソデカ感情」のような概念ではなく、いやそうでもあるんだけど一旦ここでは文字通りの「感情」)が胸に刺さりました。そしてシンプルに彩凪翔さんと長谷川愛さんのおふたりが美しくて眼福だった!

彩凪さんは舞台上に最初に出てきたときからオーラが溢れていました。鋭角な肩パッドもスマートに着こなしていた。

彩凪さんを生で観たのは「禺伝 矛盾源氏物語」に続いて二度めでしたが、今回一気に惹かれました。セーレのビジュアルと役柄がツボだったのと、あとは大倶利伽羅役だったときキャラとしての印象やストーリーの展開のほうに気を取られていたというのもあるかもしれない。

続いて天真みちるさん。重苦しいストーリーの中で明るさをありがとうございました。「スーパー天真みちるさんタイム」楽しかったです。観た回のアドリブはイモータルが「美味しい」の感情表現を指定して、フルカスがボーリングのジェスチャーをする→「おいしい!」だったかな。

ご本人に陽気なイメージを持っていたので、無感情で周囲に翻弄される役の姿が新鮮でした。あとフルカスが椅子に座っていたときのシーンで両手をそれぞれ軽く握って膝に置いていて(男性の座り方だ)と思ったのが印象的です。

 

イシスとサッドネスの会話、イシスからオシリスへの思いも印象に残っています。イシスとオシリスは、回想の中の幼い声の性別が今の姿と逆だったのが望まずTRANSを受けた2人だと突きつけられて辛かった。

オシリス役の平野良さんはドラマ「信長未満」の明智光秀役で見ていた方だったので、少しその時の雰囲気を感じました。クールな敵役を貫いているとこういう感じなんだな、と思った。(「信長未満」は「何度転生しても明智に勝てない信長と蘭丸が奮闘する」話だからフィクションの明智光秀って括りの中では多分かなりの強キャラだったんだけど、作品自体がコメディなのでなんだかんだオチ要員もしていた)

 

アガタとイモータルの絆も熱かった!三次元でワイルド系の長髪な男性ってなかなか見られないので嬉しかったです。砂田将宏さんが髪を切ったときからのロスが解消されました。

イモータルはフルカスや博士とのやり取りも微笑ましかったです。(サッドネスが言った「頭にフライドポテトつけてる」も笑っちゃったんだけど、あれってもしかして名前のイモータルと「芋」もかかってたのか!)

アガタの衣装の向かって左腕の袖のデザインも好きです。羽根とビーズのフリンジ。かっこいい!と双眼鏡で見ていました。双眼鏡といえば「ゼロのことを忘れたことはない」の台詞のとき彼が手に持っていたものが気になってじっくり見たけど結局何かわからなかったのがほんのり悔しい。

追いつけなかった部分もあり、ラストも希望を見出しつつ今後に繋げる終わり方でしたが初見でも十分に楽しんできました。シリーズの今後の展開も気になります。

 

舞台「ウィングレス」5/20昼公演の感想

紀伊國屋サザンシアターで「ウィングレス 翼を持たぬ天使」を観てきました。5/20の昼公演。

鴻池さんの過去作は未見での感想です。今作のあらすじに惹かれてチケットを取りました。

人間の女性に惚れて天使をやめた元天使は、失恋し、もう一度天使に戻りたいと神様に頼み込む。が、神様は「一人の人間を本当に救ったら、天使に戻す」という条件を出した。かくして、元天使は、「天使本舗」という会社を作り、人間達の救済に乗り出す。が、人々の悩みを解決しても、「本当に救う」ことにはならないと神様はいう。そんな時、元天使は夜の公園で小学三年の麻衣と出会う。彼女の母親は、スピリチュアル的陰謀論の「宇宙の声」にはまっていた。かくして、麻衣を救うために、元天使は「宇宙の声」代表の神山秀雄と戦い始めた。

舞台『ウィングレス(wingless)』公式

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よみうり大手町ホールでやってそうな雰囲気なのにサザンシアターなんだな〜と思っていたものの、数年前に大手町で観た「天国の本屋」に引っ張られているだけな気もする。

前日予約の当日券で入ったら今年いちの前方列、そして中央でした。基本的に後方の当日券で、時々こういう先行のキャンセルを取れたんだろう日があるのでやめられない。

双眼鏡も持って行っていたけど、使ったのはレストランのシーンでパスタが来たときの1回でした。舞台上の食事シーンで本物か小道具かをじっくり見るのが好きです。今回のパスタの正体?は結局分からなかった。

 

Twitterで「インターネットで目にする社会問題の全部乗せだった(ニュアンス)」という感想を読み自分には合わないかもな〜と迷いつつ来ていたのですが、開演前に席に置かれていた脚本・鴻上さんの「ごあいさつ」を一読して吹っ切れました。こういう人が書いた話なんだな、と心の準備ができた。

「自分で考えて判断することの大切さ」についての話の締めにChatGPTに翻弄されるエピソードもあったので、このあとの本編に近々のモチーフまで出てくるのも全然ありうるぞと。(流石にそこまで新しいものの話はなかったです)

 

開演後にまず宇宙の映像が出て、プラネタリウムかソアリンみたいな映像型アトラクションに来たかと思った。映像から生の舞台に切り替わる流れが見事でした。そして「飛び降りた女性を空中で受け止める天使」の絵を文字通りの絵の動きで見せて表現するとは。

インターネットの語彙が出ることは覚悟していたものの、実際に天使の口から「毒親」って言葉が出るとずいぶん俗だった。ぎりぎりリアルでも口にされる、人間を日々見守る天使が耳にしてても自然な言葉?でも人間になって即SNSとホームページで天使本舗を宣伝に取り掛かっていたし、全体的に現代に慣れているのかと納得しています。

人助けの会社に便利屋扱いの依頼ばかりが来る展開に映画「オレたち応援屋!!」を思い出し、1人頷いていました。

それにしても大筋の展開が全く読めなかった!

少女の母が娘を気にかけず死者との会話に固執する理由と、榊原が元天使の能力3つ目に気付かなかった理由の繋がり(小学3年生の麻衣はマンションの屋上から遠くに母親を見つけて身を乗り出した勢いで転落死したことを自覚せず現世に留まっていて、死者がはっきり見えて話せる能力ゆえに生者との区別がつかない榊原も何も気付かず彼女と交流を深める。麻衣の母親は娘に謝罪したい一心でスピリチュアルにのめり込んでいる、という経緯)に全く思い至らなかったです。人によっては分かったんだろうなあ。私は榊原と同じタイミングで事実を受け止めました。

歌のシーンは終始(序盤の作曲のうちから)泣き笑いで見ていましたが、小学生の女の子におしゃべりしてやり込められる福ちゃんさんの様子は微笑ましく可愛かったです。中川陽葵さんが演じていた麻衣ちゃんの歌もとても素敵でした。

 

序盤で笑いどころに見えていた「人を一瞬だけ優しい気持ちにさせる能力」もクライマックスにしっかり回収されて内心で盛り上がっていました。あの場面、舞台上の男性陣が必死でウイルスを追い払おうとする方向が思いっきり客席側だったので笑いと若干の抵抗感が自分の中で拮抗していた。ぎりぎり笑いが勝ちました。

ただ元天使の能力の中でも「体温が分かる能力」については、レナちゃんが自棄で榊原に告白したとき体温が不自然に高かったときの意味というかどういうことだったのかがいまいちわかっていない。

わかっていないといえば、中盤のあの突然の全員集合ダンスシーンに何だ何だと動揺しました。皆ばっちりダンスしていて凄かったけど。オープニングってわけでもなかったし、あれは鴻池作品の定番とかなんでしょうか。

 

個人的に作中でいちばんツボだったのは、神山先生が「彼女があの男と連れ立ってここに来た時の榊原君の顔、それに彼女が彼を見つめる熱っぽい眼差し!」みたいな台詞を言っていたとき後ろのスクリーンに回想として顔がでかでかと映し出されていたことかもしれない。

出ていた写真の視覚的な面白さと(いや言葉だけで大体分かるよ!観客の想像力をもうちょっと信じていいよ!)をメタ的にツッコミたい気持ちとで二重の笑いがありました。

今思うと、あえてこの表現が取られているならこちらも全力でウケるしかない!の気持ちもあった。

 

今回はじめて拝見した小南光司さんが格好よかったです。長身でスタイルが良くて顔立ちが端正でスーツが似合っていて、先生への執着が重い上に最後の最後までしぶとい。いい役でした。

観劇後にアカウントを見て見つけたお気に入りの写真を貼ります。

編集長のコミカルな動きも楽しかったな。

 

月並みだけど、家族を大事にしようと思いました。あやこさんの台詞「あの子がいた時は麻衣のことを忘れよう忘れようとしていたのに、いなくなってからは麻衣のことばかり考えてる」が胸に刺さって。

祖父が亡くなった翌日に、祖母が「自分は見送られる方だとばかり思っていたのに。こんなことになるならもっと優しくしておけばよかった」と言っていたのと重なりました。

でも実際のところ毎日毎日「今日か明日いなくなるかもしれないから」と思って家族や周囲に優しくすることなんてできないよなあ。そのバランスというか塩梅が難しい。人生の課題です。

 

過去の福田さん出演作の感想もどうぞ。

結婚1年記念に自分達の写真でアクスタを作ったレポ

結婚式から1年の記念に、自分達の写真でアクスタを作りました。制作レポです。

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ファンクリさんの「記念アクリルスタンド(台座名入れタイプ)」で注文しました。

記念アクリルスタンド 【〇台座名入れタイプ】 アクスタ フリーカット ☆ | オリジナルグッズ専門店 本店 ファンクリ

他のオリジナルアクスタ業者さんも確認しましたが、注文から納品までが3営業日と短かったことと1個から注文できたことからファンクリさんを選びました。

写真を使った実写の作成例が多かったことも決め手のひとつです。

 

全体像はこんな感じ。台座にはそれぞれローマ字のフルネームと、挙式の年月日を入れました。足元から裾にかけて名前が反射しないように撮るのが大変だった!

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この画像はインスタのストーリーズ作成画面で「まる」と「line」で出てきたスタンプを貼って保存し、動くスタンプだから5秒の動画で保存されたのをスクショして作りました。

高さが9cm、14cm、19cmの三展開あり、Mサイズ14cmで注文しました。

ちなみにジャニーズの「アクスタFest」が基本的に高さ11cmなので、飾った体感としても14cmはやや大きめに感じます。

9cmと14cmで迷いましたが、せっかくの記念だから衣装のディテールなども残したい!と思い14cmにしました。

 

依頼した元写真がこちらです。

原稿制作はせず写真をそのまま送り、切り抜いてもらっています。注文から3営業日後の発送でした。(土日祝と水曜が定休日)

3営業日以内に発送とサイトに書かれていた通り、3営業日目に発送完了メールが届きました。

送料とお支払い方法について

 

ネコポスと佐川急便から選べた中で到着予定が少し早かった佐川を選びましたが、ポストにも入りそうな薄い箱で届いています。

5000円を超えていたため、送料はどちらを選んでも無料でした。

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箱を開けると、プチプチで梱包されたアクスタが箱の底面にテープで固定されていました。台座はさらにビニールの内袋に入っています。

この時点でドレスのボリューム感にテンションが上がった!

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袋型のプチプチで包んであったため、親戚に見せるためなどで持ち歩いた際も届いたときの袋に入れていました。

プチプチには台座についての注意書きシールが貼られています。アクスタを台座に差し込んで垂直に立つまでが検品範囲とのこと。

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たしかに少し個体差があり、アクスタ部分を持ち上げたとき台座から外れるもの外れないものが1つずつでした。

 

最後に注意点。写真の送信フォームには切り抜き済みの画像NGと注意書きがあったものの、ドレスの方は裾に背景が数ヶ所残っていました。

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背景が複雑な写真を使いたい場合は、実際の輪郭より内側になっても(あるいは、形を多少簡略化しても)しっかり切り抜いて欲しい旨を送信フォームの備考欄に書いておくのがいいのかも。

 

惜しかった点も書いたものの、トータルとしては納得の仕上がり。作ってよかった!プレゼントした夫をはじめ親戚や友人にも好評で、自分でも注文したという人も出ました。おすすめです。

これから作る、特にプレゼントで手渡しする方はぜひ開けた瞬間の動画撮影もしてほしい!夫の驚いたリアクションが大きくて、撮ってたら動画映えしただろうな〜と思ったので。

 

昨年の挙式レポもどうぞ♡

舞台「BACKBEAT」再演 プレビュー公演の感想

BACKBEAT再演のプレビュー公演を観ました。A.B.C-ZツアーグッズのZephyr黒シャツの上にレザージャケットを羽織り、スキニージーンズを履いて形から気持ちを作って行ってきました。

初演を一度観ていて、ほどよく細部を忘れていた状態での感想です。

※この作品は性的な発言や表現、不貞、男性から女性への暴力、心身を病み苦しむ姿の描写が(私の感覚ではそれぞれそこまで過激ではないと思うものの)有りました。以降の感想で特に触れませんが、念のため前提として記載します

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場面場面で感じたことを時系列順に箇条書きでぽんぽん挙げました。文体を整えきっていない、メモの延長的な感想です。

記憶の限り初演から大きく変化したところは無かったので、基本的に初演を観た方ならネタバレになることはないはず。

 

  • こんなに分かりやすい猥雑さだったりあざといセクシー仕草(頻繁なシガーキスとか、ジョンがスチュの絵が売れた小切手?を口で受け取るとことか)があったんだっけ?と動揺しました。たぶん再演で変わったというより自分の心持ちが違っている。
  • ロビーに「喫煙シーンは無害な水蒸気タバコを使っています」と注意書きがあったけど、水蒸気タバコといえば電子のイメージだったので見た目が紙巻きでびっくり。
  • ネオンサインが降りてきて(これこそバックビート!)とテンションが上がった
  • ジョンと話すアストリッドに愛加あゆさんスタイルがいい〜!とうっとりした。これは今回はじめて思ったことだけど、初演の夏子さんと比べてというより最近キングアーサーで加藤和樹さんと安蘭けいさんの並びに心を奪われていたのでそれを連想したというのが大きいです。最近「加藤さんと宝塚OGさん」が好きだと自覚したので。
  • アストリッドとのデートの約束を取り付けたスチュが(ポールの弾き語りをバックに)ポエムを語るのを(知ってる〜)と思いながら観ていた。彼のソロ曲「星が光っていると思っていた」でのパフォーマンスと部分的に重なって見えました。なんというか全体的に、スチュのこの感じが本人の言動とそれなりに近いというのが凄い。
  • レコーディングの前日の場面でジョンが「スチュ。スーチュ」と呼びかけるときの声が優しかった

→追記、2回目(東京5/27夜)だとこの場面は苛立ちのにじんだ声でした。毎回ライブ感というかフィーリングがあるんだな〜と思います。

あと一幕のラストでジョージが荷物いっぱい持ってるのが可愛かったです。キャリー引いて肩からトートバッグも提げてて。

プレビュー公演では両手に荷物を持ってるのがポールかジョージか分からなくてじっと見ている間に暗転してしまってたんだけど、多分ほぼ確実にジョージがそうでした。それにしても辰巳くんはほんとに顔が小さい!

 

  • 工藤広夢さんが楽しそうでつられて笑顔になった。台詞がなく身体表現に全振りしていたキングアーサーの鹿とはまた違った魅力でした。

(ここまでが一幕。ここから二幕)

 

  • アストリッドがスチュの髪を切る場面で、ふとバックの演奏に目を向けたらジョンがギターの背面を表に向けて弾く真似をしていて何事!?と焦った。何だったんだろう。スチュの不在に気を取られている、あるいは投げやりになっている表現?
  • 一幕でジョンがスチュに呼びかける声は優しかったのに、Love Me Tenderを歌ってステージを離れるスチュを呼び止めようとするときのジョンの声は執着がにじんでいて声色の差が恐ろしかった。まあ野心と執着で暴走する姿を演じる加藤和樹さんが大好きなわけですが……。
  • キャンバスが3枚出てきた場面、客席から見ていちばん左の紫の絵が戸塚さんがTwitterにアップしていたものに見えたけど違いました。

  • スチュを探すジョンが断続的に鼻をくんくんさせていて(嗅覚で!?)と思った。犬!?犬なのか!?そういう笑いどころなのか!?と。
  • 星空がぱっと出てきて(これ初演で好きだったシーンだ!)と思い出しました。ここでのスチュとジョンとアストリッドのやり取りは先日観た「マリー・キュリー」と通ずるものがあったと感じます。パートナー間の愛と、違う道を歩く親友との愛が同時に存在していたところが。
  • ポールとジョンが作曲するシーンは、先日有識者さんのツイートを目にしていたことで微笑ましく観られました。ポールの目線で想像された背景に触れたことで、作中で攻撃的な発言が多いポールへの印象が和らいだ気がします。
  • The Beatlesのマネージャー(プロデューサー?)として出てきたのが東山光明さんで沸きました。キングアーサー後の再会を楽しみにしていたのです。ケイを演じていたときのコミカルさとはまた違った、渋い大人の魅力がありました。

  • ピートが脱退を告げられた場面、初演ではメンバーを下に見るような発言をしていた彼の自業自得が強いと思っていたけど、今回は同様の発言もありつつ素直に気の毒だなあと感じました。ピートがどうというよりあくまで仕事相手の意向として仕方ないこともある、というのが納得いくようになったということなのか。
  • スチュが病に苦しむ場面で、初演を観たときは自分も頭痛がして嫌な臨場感があったのを思い出していた。最近は舞台開演の数時間前に頭痛の気配がしたら先回りして痛み止めを飲むようにしてるのやっぱり正解だな、と物語から一歩引いた思考になってしまった。
  • スチュの死後(みんな葬儀だから髪セットしてないんだっけ→いやこの時期のビートルズは皆マッシュなのか)と思ったし、初演も同じ流れをやった気がする

 

なんだか全体的に初演で感じたドロドロや重さがなくなって(減って)さっぱり受け止められたと思います。

たとえばスチュの葬儀でのジョンの荒れようも、初演当時は感情表現の大きさに動揺したけど今回は(自分自身が身近だった親族との死別を経験したこともあり)「あれだけ親友だと思っていたんだから、ジョンの元々の性格の描き方も踏まえて充分ありうることだよね」といったように感じました。

単純に初演を観ていて流れをひと通り知っていた上での観劇だったことと、何事も素直に受け止めるようになった変化が主な原因なのかなとは思いつつ。帰り道で「初演より全体的に展開のテンポが早くなっていた」と話す方の声を聞いたので再演で削られた場面もあったのかもしれない。

 

最後に江戸川区総合文化センターの記録。今後のBACKBEAT公演は別会場だけど、またここにお世話になる時に備えて書いておきます。

新小岩駅の南口からバスに乗って着きました。バスは同じ目的の女性陣で混み合っていたので降りてからの道のりはスムーズでした。5分ないくらいだったとはいえ最寄りのバス停からも歩くので、雨だと辛そう。

会場の雰囲気は、昨年10月の宝塚花組フィレンツェに燃える」全国ツアー神奈川公演で行った神奈川県民ホールに近いものがありました。

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開場前に建物内3階のレストランで食べたアップルパイ。

お急ぎの方におすすめ!すぐ出てくるクイックメニューのハヤシライス、というのもあったのでしっかり食事をするにもよさそう。

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。具体的な差分や生演奏のパワーアップ感などは具体的に感想に落とし込めなかったものの、自分の物の見方や感じ方が変化したことは実感しました。

東京公演にも行く予定なので、楽しみです。ビーバッパルーラ!

 

初演の感想はこちらです。

アイドル短歌で、自分の出したテーマも作る相互題詠をやってみました

アイドル短歌のつながりで知り合ったアキタさんと相互題詠をしました。相互題詠とは、ざっくりいうと2人1組でテーマを決めて短歌を詠み合う遊び。

言葉を作った(少なくとも私が相互題詠を知ったきっかけの)鷹野しずかさんによる解説記事も出ています。

「相互題詠」やってみた & みんなもやろうよの募集|鷹野|note

アキタさんとはスペースで話が弾んだことから「短歌の企画をしたい」との流れになり、以前から漠然とあったアイデアをやってみたいと思いお誘いしました。

送ったDMの一部を引用します。

ちょうど最近、相互題詠の派生というか「もらったお題と自分が出したお題を両方詠む」のをやってみたいなと思ってました☺️クロス相互題詠?相互・相互題詠…?

結局この両方のテーマを作る相互題詠の名前は特に決めていないままです。「ネオ相互題詠」とか?

アキタさんの作品がこちら。

https://twitter.com/soredemosore/status/1647223253453410306?ref_src=twsrc%5Etfw

いや〜〜良いでしょう。なんと私のリクエストから生まれました。

このようにお互い「箱」と「理想」のテーマで作っています。

 

作った短歌について

テーマ「箱」を受け取ってからは、連想した要素を書き出すところから始めました。

  • 劇場
  • ビル
  • 段ボール
  • 箱庭
  • 方舟

貰ったテーマと自分のテーマ、両方を詠み込んだ短歌の計5首を作った順に振り返ります。

 

あの人にいちばん似合う表情(かお)だけを見てたいあたしにいつか当たる罰(ばち)

アキタさんから「今は表舞台に出る機会が少ない人を後から知って、好きだけど当時の活動に応援も貢献もできなかったのに推しや担当と呼ぶのは申し訳ない」というお話を聞いて、私も理由は違えど「罪悪感から推しと呼べない気持ち」は分かるな〜と思って作りました。

私の場合は「特定の系統の役柄を演じているときが好きすぎて相対的に素がそんなに刺さらない」俳優さんがそうです。共演者さんにもファンにも優しいことがわかる素敵な方なのに。

なんの役も演じていないときの役者さんに、もっと言えば他人に対して(そんなニコニコしないでいてほしい)と感じてしまう自分になりたくなかった!険しい顔や高笑いが映えすぎるのと演技が上手いせいも絶対絶対あるけど。

その人を無邪気に推せないことや、本人画のちょっとしたイラストが可愛らしかったという最高シチュエーションに対しても素直にはしゃげなかったことがもう私に当たっているバチなのかもしれない。

 

違う時が流れど上空から見れば等しく立方体だ 劇場

箱といえば劇場、ということで。最初の形は「中で何が起きていようと外からは等しく立方体の劇場」でした。

飛行機から見える街並みってどれも四角いけど実際はそのひとつひとつでたくさんの人が生活しているし、中には今この時に全く違う時代や場所の物語が繰り広げられてる劇場だってあるんだよね〜というイメージです。(もし発表までに世間で人の死に関わる大きなニュースが起きたら「上空から見れば」は変えよう、とも考えていました)

立方体の中でだけ広がる時間と空間がここまで人の心を動かすって舞台やコンサートは本当に凄い!とも、受け手にとってはあくまで日常生活とは隔絶したいち娯楽であるとも、その時々の心の持ちようによってどちらも思います。

 

暗記パン欲しかったけど最近は君にあげたいもしもボックス

過去や仮定に日々思いを馳せているアキタさんへの短歌です。テーマ「理想」もそこから決めました。

あげたいな。もしもボックス。アキタさんがパラレルの別世界にそのまま定住してしまって離れ離れになるかもしれないとしても。(たしかそういう設定だったよね、と思って調べました。元の世界にも戻れるものの、実現する世界はやっぱりパラレルワールドだそうです。)

もしもボックス (もしもぼっくす)とは【ピクシブ百科事典】

前提にある「ドラえもんの道具1個使えるなら何がいい?」は、もう日本人なら全員一度はトークしたことがあるだろうとばっさり省略しています。「無人島に何か1つ持って行くなら」レベルで定番の質問のはず。

画像初版の相当ぎりぎりまで「あの子」にしていましたが、既に作っていた短歌の「あの人」と被ったので「君」としました。

鷹野さんとの相互題詠で作った「家」テーマの連作で「日々」が2個になってしまい、でも単体としてはどちらも変えたくないと葛藤して単語被りを取ったことを思い出します。

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今回は「君」に変えた結果ぴったり定型に収まったのでよかった!

 

部屋の隅に重ねた箱の内側で明日の元気が眠っているらしい

これを書いている今も、ずっとあります。部屋の隅の箱が。

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中身は映画館で観た映画のBlu-rayと、配信で曲を聴いてるCD。開けて再生したら明日を頑張るモチベになるようなキラキラがあるんだと思いつつ、もう内容を知っているからと置いていることから作った短歌です。

「明日の元気」には「この購入が巡り巡って今後の活動の応援につながりますように」のニュアンスも込めています。「明日」と「元気」の拡大解釈。とはいえ最初は「部屋の隅で積んでる箱の内側で眠る明日への元気と希望」としていたのを「積む」に複数購入の意味が乗ってしまうことが気になり「重ねる」に変えました。

下句「眠る明日への元気と希望」は、全5首を作ってから見直したとき体言止めが多かったので「明日の元気が眠っているらしい」としています。

 

理想ってなんだと思う?箱庭の外で実った苺が落ちる

各テーマで2首ずつ作ってから、「箱」で連想する言葉を書き出していた中の「箱庭」が「理想」と繋がるなと思い1つの短歌にしました。

「理想ってなんだと思う?」は戸塚祥太さんのソロ曲「星が光っていると思っていた」にあるフレーズ「才能ってなんだと思う?」から取っています。

作っていたとき苺のチョコを食べていたから、箱庭と苺のイメージが浮かびました。理想→楽園の連想で「りんご」でもいいかな?と思ったものの、柔らかさと水気と生々しさを「箱庭」の静けさと対称にしたかったので苺に戻したという経緯です。

私が作りたい短歌の理想は、日常と抽象と耽美を全部少しずつ入れた上で湿度少なめで平易にまとまっていること。かなあ。

 

画像について

今回はじめてツールを使わず自力で短歌の画像を作りました。テーマごとに左右で背景色を分けたい!と思いついた時点でうたの短冊メーカーさんが使えないのを覚悟していた。アプリでいけるかな?とも思ったものの、結局PhotoShopを使っています。

「箱」側は段ボール箱から連想した色で、よくわからなかった「理想」のイメージカラーは茶との対比と白字が映えそうな濃い緑にしました。自選10短歌集に参加したときも自分のページの文字色を緑(ビリジアン)にしてもらっています。

Photoshopを開いたのが5〜6年ぶりだったけど、意外となんとかなりました。これからも自分で短歌の画像を作れそう。

字体は以前ダウンロードしていたフォント「ほのか新アンティーク丸」です。

「ほのか新アンティーク丸」フォントは丸ゴシック系の漢字に明朝体風のウロコの付いたかな文字を組み合わせたアンチック体(アンティーク体)の日本語フォントです。

レトロ系フォント「ほのか新アンティーク丸」無料ダウンロード

ひらがなカタカナと漢字で雰囲気が結構違うんだけど、その少しちぐはぐなところが理想に焦がれて届かないままならなさに通ずると感じて気に入っています。

 

おわりに

「もらったお題と自分が出したお題を両方詠む」楽しかった!作っているときも楽しかったし、シンプルに作品を見るときのワクワクが倍になります。これが相互題詠のスタンダードになりませんか?

連想するモチーフが被らなかったのが面白い。たとえば同じ「箱」でも「パンドラの匣」と「箱庭」はお互い全く思いつかなかったと言い合いました。

あえてデメリットを挙げるなら、100%で相手に沿ったテーマを選べなくなることかもしれない。今回は自分でも作れそうだったから迷わなかったけど、思いついたテーマによっては日和って変えていた可能性もあります。あとは1テーマに対して2〜3首だと連作としてはボリューム不足になっちゃうとかかな。

アキタさん、お付き合いいただきありがとうございました!

 

こちらもどうぞ。自選2022の振り返りです。

4/1夜「カリスマ de ステージ」感想

4月1日夜、池袋Theater Mixaにて「カリスマ de ステージ」を観てきました。一般抽選で初日の翌日が当たったので、初日配信はこらえて現地での初見です。

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カリスマ本編「バレンタイン巡査」出のいおり推し目線で感想を書きます。最近はカリスマピクニックのMVで「いえーい!」が可愛すぎて膝から崩れ落ちました。

コンビは幼馴染み組が好き。テニミュ4thの関東氷帝戦を観ていたので、偶然キャストさんもピンポイントにそこの2人を知っている状態で行ってきました。

ちなみに最初の最初の情報解禁で「持田さんが出る」だけ知ったときはテラくん役だと思っていた。それはそれでいけそうじゃないですか?

そういえば舞台ではこのキャラ2人が幼馴染みだとは明言されてなかったな。

 

ゲネプロ映像

配信は見ないようにしていたと言いつつ、ゲネプロ映像は事前に押さえていました。

舞台でカリスマチャージ!『カリスマ de ステージ』~ようこそ!カリスマハウスへ~┃エンタステージ - YouTube

見終えた時点での感想です。

  • カリスマ「です」じゃなくて「だ」なんだ
  • 猿ちゃんの名乗りで名前の直前の間がなさすぎる気がするけど、そもそも声優さんが「反発のカリスマ 猿川慧」を言ったことがないかもしれない
  • 忘年会の理解お兄さんパートと同じパロディ元曲また使ってる!?
  • ドラマパートで見た話が多いけどあらすじの「殺人事件」はどこでやるんだ

 

オープニング

動画でも一部見ていた舞台曲。ふみやのパートが舞台のメタで、しかも(ものすごく要約すると)全通してくれって言ってて流石すぎた。

いおりが踊るとき衣装のベルトがぴらぴらしていたのが可愛かったです。

 

キャラクター紹介

ボイスドラマ1〜7話に該当する各キャラの紹介パート。

いおりが猿ちゃんに言う「ありがとう。 間違えた、お尻を蹴るな」はかなり間を取っていた印象があります。いおりと理解お兄さんの追いかけっこで部屋の中くるくる走ってたのが!可愛かった!

猿ちゃんの笑い声が裏返る感じがほぼ再現されていて感動しました。

立ってる理解お兄さんを斜めから見たとき、思いのほか胸板が厚くて動揺した覚えがあります。身長と肩幅はありつつも体が薄いイメージだったけど実際このくらいはあるものなのかと。服がタイトなので余計に。これが実在の厚さ……。

各パートの冒頭で本家の動画にあるキャラクター紹介パートが舞台キャスト坂下さんの声で流れたのですが、録音の声がこなれていない感じで勿体無かった。かなり初期に録ったとかなんだろうか。

生で聞いた声のほうは、あの声色の軽さがリアルな19歳らしくて本家とは別の魅力があったと思います。本編のドラマでは天彦がふみやのことを「本名かどうかわかりません。年齢も怪しいものです」みたいに(第三者に)言う回があるんだけど、舞台のふみやだったら年齢への疑いは出なさそうに見えました。

テラくんと猿ちゃんの「行ってらっしゃいって言いながら可愛く手を振っちゃだめだよ?」できた!!と身構えていたら想像していたより控えめな棒読み+両腕をまっすぐ上に挙げた大きい振りでした。

その感じだったか〜!胸元で小さくきゅるきゅる振ってなかった!と拍子抜けもしたけど、これは完全に本橋レベルのあざとさで脳内補完していた己の問題です。

コミカライズではマイルドにされていた「#6 性(天堂天彦)」がまさかのパワーアップを果たしていた。舞台上に「自主規制」の幕張って入浴シーンて。ひとしきりお風呂シーンをやって衣装を着なおす天彦さんを見ていて、改めて真っ赤なボトムスに驚きました。絵でも見たことがあるのに、なんだか自然に黒ボトムスが出てくる気でいたので。

 

殺人事件

ここのタイトル「シェアハウス殺人事件」だった気がしてたけど「世界一美しい殺人事件」でした。

身内から被害者が出るとは。しかも普段すぐ「バチ当たって死ぬよ!」とか「(倒れただけの人に対して)ねえ死んだ!?」って言う(そして周囲から「死んでません」とツッコミが入る)テラくんがそこのポジションなのか、と思いつつ観ていた。

序盤にあった、天彦が「テラさん、また今夜」と言うのを大瀬が目撃するシーン(目撃の部分が舞台オリジナル)が回収されて内心盛り上がっていました。これが舞台化の醍醐味。

心停止の軽さが漫画のけいどろとちょうど同じくらいだったな。

ていうかもしかして、テラくんは自分が軽率に心停止しちゃうからこそ人にも「ねえこれ死んだ!?」がすぐ出てくるんだろうか。

さよなら 伊藤ふみや

舞台オリジナルパートまさかの2本目!「僕はメシも作るけどズボンも作る」の勢いで原作もやるしオリジナルもやっていた。

天彦がふみやを引きとめようと露出した場面でのいおりの冷めた目が……最高でした……。

 

ライブパート

ライブパートの導入でオリジナルの全員曲がオープニングとは別であったものの、全体的におぼろげな……キャラパートの順番の変化が少なかったな〜という印象。前後でやってたことが濃すぎて相対的に記憶が薄くなってしまった。

エクササイズの手振りを客席で一緒にやりました。楽しかったです。

天彦といおりが出てきたときは1推しと2推しだ!とテンションが上がりました。キービジュアル初見の第一印象でいいなと思ったのが天彦で、その後いおりにハマった経緯なので。

逆にプロフィールを見た時点で「いおりくんがタイプ」と言った友人はドラマパート#1〜7後に「なんかイメージと違った」ってふみや寄り箱推しに移行していました。もしかしたらカリスマは全体的に普段の「好きそう」とは多少ズレる傾向があるのかもしれない。

この曲のモチーフ元になったドラマ側では天彦だけが気合入っているので「いやツッコミ不在かい!!」と思ったけど、2人分の早口言葉とポールダンスが見られて贅沢でした。2人分のポールダンスは贅沢すぎて内心「いいんですか!?」だった。毎回の早口言葉お疲れ様でした&ありがとうございました。

デス会議の曲で(メランコリック写楽だ!!)と思ったので、最近ひさしぶりに聞き直しています。もう解散済みのバンドなんだけど、あの2人の曲が好きな人に刺さりそう。

メランコリック写楽 - ヨーロッパ返して - YouTube

メランコリック写楽 「成仏できない」 Music video - YouTube

あとはテクノ感だと「水星」もイメージ近いかなあ。

Suisei (feat. Kariya Seira) (Young & Fresh mix) - YouTube

 

総括

カーテンコールでおさなな、ありました。いおりが猿ちゃんに耳打ち→猿ちゃんがお辞儀、の流れ。可愛かった〜。

これまでに観た2.5の中で一二を争うくらい原作側への思い入れが強くあった中で、しっかり楽しんできました。ステージの次回があれば、本編シーズン1内から登場人物が多い単発コメディ回をいくつか見られたら嬉しいなあ。

あと嬉しいといえば、声優さんと俳優さんがお話する機会が何組かであったことがSNSでわかったのも嬉しかったです。

カリスマ原作側のシーズン2も楽しみましょう♡

「キングアーサー」2/25夜と配信の感想

兵庫県立芸術文化センターでミュージカル「キングアーサー」二度目を観ました。2/25の夜公演です。加藤メレアガン・太田ランスロット・小南グィネヴィア回。

劇場の近くにショッピングセンター等もあったんだけど、開場1時間前くらいに着いてどこかお店に入って時間をつぶそうとしたらどこも埋まっていました。また関西遠征する機会があれば、2〜3時間の余裕を持って行ってみます。

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新国立劇場では休憩中のロビーに列ができていて近付けなかったキャストボードも、今回は写真を撮れました。複数回来ている人たちの割合が高くて余裕があったのかも。

 

2回目で「モルガンとメレアガンがすごく好きだった」から作品「キングアーサー」が好き、の気持ちになった気がします。

モルガンとメレアガンが刺さったって気持ちを「憑き物」と呼ぶのもどうかと思うけど、愛とは欲望の暴走でもあり愚かなものなので。

比較的全体を観られて、新しい発見もあり楽しかったです。ガヴェインこんなにずっと活躍してたんだ!と気付いたり、二幕最初にモルガンのいる空間がマーメイドラグーンみたいな雰囲気で素敵、と思ったり。あの珊瑚のような舞台装置、後でグィネヴィアの拘束にも使われていたけど。

 

初回の感想を順不同で引用しつつ、改めて思ったことなど感想を書きます。

今回のキングアーサー観劇で最終的に一番印象に残ったのは後から知った「浦井健治さんが41歳だった」ことかもしれない。

実年齢を知ってもなお若々しく見える浦井さん。未だに全然信じられません。この年の取らなさは歌手のYUKIちゃんに通じるところがありますね。

「Color」で幼児のような心から生き直していた姿とはまた別の形で、作中通して成長する姿を見られました。「アルジャーノンに花束を」も観たいです。

あとアーサー何回かすごい早口なところがあるな。マーリンとの会話とか。初回は全体の情報量を追うのに精一杯だったから受け入れていたけど、改めて観たら早い早い!と思った。尺の都合でそうなったのか、演出での早口だったのか。

 

ケイのことを(鬼滅の刃の)善逸みたいだな〜と微笑ましく見ていたけど、アーサーと血が繋がっていないことがわかっても彼を家族だと言い切った姿にはぐっときました。

観直してみたらこの場面、わりと王城に留まりたさで言っているように見えた。とはいえ、なんだかんだ保身なだけではないと思えるのが彼の人間味と愛嬌によるところですね。

 

グィネヴィアがアーサーとランスロットの間で思い悩む場面では「マドモアゼル・モーツァルト」を思い出しました。コンスタンツェがモーツァルトとの心の距離に悩み、フランツに惹かれていったあの感じ。

なんか二度目を観てわかった、元々グィネヴィアがランスロットへ心動いた理由を「アーサーが(王の重圧や呪いに)ひとり思い悩んでいたから」だと思っていたけど、3人での歌でアーサーが「誓い」と「約束」をたびたび口にしていたところからするともう彼女にとってアーサーはメレアガンと同様の義務の象徴になってしまっているんだな(と、観劇直後のメモに書いてありました。ここだけ一文が長いし文体も口語すぎるものの、せっかくなのでそのまま残します。)

1回目を平間さん宮澤さん、2回目は太田さん小南さんで観たらランスロットとグィネヴィアまわりの体感がかなり違いました。2回目の方が、2人とも自分の意思を貫いていると感じられて清々しかった。小南さんが健康的に胸元を開けているからかもしれない。

相対的に、平間さんと宮澤さんには周囲に翻弄される薄幸の美しさを感じました。例えるなら「容疑者Xの献身」の石神と靖子のような。

平間さんの歌が好きだなあと思ったので、「ダ・ポンテ 〜モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才〜」のチケットも取っています。

 

ステージ左右の壁にも映像を映していて、星空や土煙を映していたときに空間が広く感じられてよかったです。そしてマーリンが鳥になって飛び立つ場面での使われ方がこの演出の本領発揮!と感じました。

兵庫県立芸術文化センターではステージ上でのみ映像を投影していたので、新国立劇場中劇場の後だとスケール感が物足りないかな?と少し不安でしたが(アーサーの目線、そのままか!)の違和感が勝った覚えがあります。そりゃあ客席に背中を向けるわけにもいかないけども。

そして二度目に観たとき、マーリンを見送ったアーサーが歌うのが「魔法に導かれて」のリプライズと気付いて切なかったです。かつてグィネヴィアに向いていた想いが国と民に捧げられていて、もうアーサーの心は明確に個人ではなく王としてあるんだと実感しました。

ただ彼が最後の最後に独り身の王となったのは、後々に後継で揉めたり新たな悲劇を生むんじゃないかと思わなくもない。このあたりはアーサー王物語をちゃんと読むとわかることなのかな。

 

休憩中に見た舞台写真のラインナップの中にもあって期待していた安蘭けい様と加藤和樹さんのシーン、本当に、本当によかった……。黒と紫を基調としたビジュアルもおふたりの声量も「復讐心に燃え手を組む2人と見せかけて強かな女(安蘭けい様)に利用される男(加藤和樹さん)」というシチュエーションも何もかも。双眼鏡でじっくり観たいのにどちらを視界に入れるか全然選べなかった。

特に1幕の終わりで2人が舞台の両端からアーサーらを見下ろしている場面は、席が二度ともセンブロ中央寄りだったのもあって視線を向ける先に迷いました。

昔どこかで聞いた「繋がれたヤギは行動範囲の端と端にえさを置かれると迷ってどちらにも行けず衰弱する」って話のヤギの気持ちがわかったくらい。最終的に舞台の中央も含めて少しずつ観ました。

これが黒を着るために生まれてきた人か〜と思います。もしかして生まれた時から黒着てましたか?

「復讐の約束」(ダンダリの前にある2人の歌)では、この世の美のひとつの完成がここにある……のような気持ちになっていました。柔らかな茶髪の似合う浦井さんのような別種の美しさもあるのであくまで数ある美しさの形のひとつという位置付けです。

安蘭けいさんが低い方のパートを担当する歌も、紫のライトで照らされたメレアガンの虚をつかれたような無垢の表情も好きで。(後ろの模様がロールシャッハテストみたいだな、とも思う。)

観劇後しばらくは都合がつかず、東京楽は完売だった中で遠征してのリピートに踏み切った動機にはモルガンとメレアガンの存在が大きかったです。稽古場動画を見返しながら地に足がつかない生活を送っていたので。

改めて何の映画だったのか調べたら「仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」でした。

お風呂でよく再生していたのは製作発表の歌唱部分です。本編後に見直すと「魔法に導かれて」の最後に出てくる面々が全員わかって熱いんだ!

【チケット絶賛販売中】ミュージカル『キングアーサー』プレイベント(製作発表)アーカイブ配信中 - YouTube

この流れで、加藤さんと伊礼さんがそれぞれの役で歌っている北斗の拳ミュージカル初演の製作発表も貼らせてください。おすすめです。

【動画】ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』歌唱披露 2021.10.28 - YouTube

配信で伊礼メレアガンも観ました。声に、特に台詞の発声に厚みがあって重々しかったのが印象的です。劇場版アニメの大御所声優さんの言う台詞みたいだと思った。

そして伊礼さんは全然笑わない!ずっと険しい顔をしていて、想像していた以上に違った角度での演じ方でした。

 

個人的には、加藤メレアガンの「どうしようもない外部要因とエゴが半々ずつくらいに混ざり合って暴走していた」ような感じが好みです。そういえば河合郁人さんのファンになったきっかけの舞台「コインロッカー・ベイビーズ」でもハシを演じた彼の演技が同じように感じられたな、と意外な角度から自分の業を知りました。

この流れで他作品の話をすると、作品全体のテーマに「阿呆浪士」と通ずるところがあったと感じます。

商人でありながら拾った血判状赤穂浪士になりすました男と、かつて赤穂浪士であった男の話。観た場所も同じ新国立劇場の中劇場でした。

マーリンがグィネヴィアに言った「心の声に従う勇気は、一度出せば十分です」の台詞でそう思ってから、アーサーを筆頭に作中で度々口にされる「運命」に関連する言葉が被って聞こえました。

 

改めて、本当にこのまま2023年のマイベストになるんじゃないかと思うほどに好きな作品です。キャストスタッフ関係者の皆様、ありがとうございました!

モルガンの「魂の崩壊さえも恐れないか!」という台詞に(さすがに魂の崩壊は辞すな〜)と思っていたけど、この数ヶ月で魂の形がちょっと変わったんじゃないかというくらいには影響を受けた気がしています。

加藤さんと東山さん、工藤さんが出演するBACKBEATも楽しみです♡