震えてるのは君のほう

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舞台「HELI-X 〜スパイラル・ラビリンス〜」感想

※本ページはプロモーションを含みます

6/3の夜公演で「HELI-X 〜スパイラル・ラビリンス〜」を観てきました。星元裕月さんをはじめて観た「天使は桜に舞い降りて」と同じサンシャイン劇場

HELI-Xシリーズは初見で、役者さん4人を目当てに行ってきました。星元さんと平野さん、彩凪さんに天真さんです。チケットもぴあキャスト先行の星元さん枠でした。

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「繭期」TRUMPシリーズのようなゴシック系?と想像していました。(TRUMPシリーズも未見なので、ジャンルが近そうという印象だったというのが正確かも)

観劇前に、衣装展示のレセプションパーティー配信も見ていました。

そういえば配信の中で説明されていた皮膚や内臓をイメージして作られたという衣装が作中に出てくるかな〜と思って観ていたけどわからなかった。前作で出ていたということなんだろうか。

本編を知る前は、配信で出た「人類はついに性別から解放された」というフレーズにどんなストーリーかとわくわくしていました。序盤でシリーズ設定の説明(大戦後の人類は後天的に性別を変更できるTRANSという技術を得た、そしてTRANS適用者の一部は特殊能力を持つことがわかり能力者はHELI-Xと呼ばれるようになった)があったときも。

望まずその技術を適用された人ばかりが出てくるとは思いもしていなかった。無理やり男性の身体にされた、女性として生きていたかったと慟哭するサッドネスの姿では映画ミッドナイトスワンの凪沙を連想しました。

稽古期間中の星元さんのツイートを見たときから、辛い作品だという覚悟はしていたんだけど。

星元さんの顔が大好きで、真っ白なレースとフリルの衣装も相まって(お人形さんみたい)と噛み締めつつひたすら双眼鏡で眺めていたので「私はお人形じゃない」という台詞に罪悪感が湧きました。

クライに「私よりあなたの方が生きている価値がある」と訴える場面では(そんなことない)と心で呼びかけたかったけど、絶対的にどうかはともかく相対で比較したらそう感じてしまうのは責められないと共感してしまった。

回想でうかがえた短い場面の中でも、彼はひたすらに人格者だったので。ビジュアルもHUNTER×HUNTERみたいで格好よかったです。

なんだか小学生くらいの頃に「もし自分と初対面の誰かのどちらか1人しか助からない状況になって、相手の人が自分を助けてくれようとしたとしても例えばもし途中でその人が尾田栄一郎さんだとわかったら自分は諦めるべきか」と想像したことを思い出しました。待っている人の数の桁が違うし、自分の方が助かってワンピースがもう出ないとなったら(ネットが今ほど普及していなかった当時でも)マスコミや世間から叩かれるんだろうかと怖くなった記憶。

 

セーレからイシスへの感情(いわゆる「クソデカ感情」のような概念ではなく、いやそうでもあるんだけど一旦ここでは文字通りの「感情」)が胸に刺さりました。そしてシンプルに彩凪翔さんと長谷川愛さんのおふたりが美しくて眼福だった!

彩凪さんは舞台上に最初に出てきたときからオーラが溢れていました。鋭角な肩パッドもスマートに着こなしていた。

彩凪さんを生で観たのは「禺伝 矛盾源氏物語」に続いて二度めでしたが、今回一気に惹かれました。セーレのビジュアルと役柄がツボだったのと、あとは大倶利伽羅役だったときキャラとしての印象やストーリーの展開のほうに気を取られていたというのもあるかもしれない。

続いて天真みちるさん。重苦しいストーリーの中で明るさをありがとうございました。「スーパー天真みちるさんタイム」楽しかったです。観た回のアドリブはイモータルが「美味しい」の感情表現を指定して、フルカスがボーリングのジェスチャーをする→「おいしい!」だったかな。

ご本人に陽気なイメージを持っていたので、無感情で周囲に翻弄される役の姿が新鮮でした。あとフルカスが椅子に座っていたときのシーンで両手をそれぞれ軽く握って膝に置いていて(男性の座り方だ)と思ったのが印象的です。

 

イシスとサッドネスの会話、イシスからオシリスへの思いも印象に残っています。イシスとオシリスは、回想の中の幼い声の性別が今の姿と逆だったのが望まずTRANSを受けた2人だと突きつけられて辛かった。

オシリス役の平野良さんはドラマ「信長未満」の明智光秀役で見ていた方だったので、少しその時の雰囲気を感じました。クールな敵役を貫いているとこういう感じなんだな、と思った。(「信長未満」は「何度転生しても明智に勝てない信長と蘭丸が奮闘する」話だからフィクションの明智光秀って括りの中では多分かなりの強キャラだったんだけど、作品自体がコメディなのでなんだかんだオチ要員もしていた)

 

アガタとイモータルの絆も熱かった!三次元でワイルド系の長髪な男性ってなかなか見られないので嬉しかったです。砂田将宏さんが髪を切ったときからのロスが解消されました。

イモータルはフルカスや博士とのやり取りも微笑ましかったです。(サッドネスが言った「頭にフライドポテトつけてる」も笑っちゃったんだけど、あれってもしかして名前のイモータルと「芋」もかかってたのか!)

アガタの衣装の向かって左腕の袖のデザインも好きです。羽根とビーズのフリンジ。かっこいい!と双眼鏡で見ていました。双眼鏡といえば「ゼロのことを忘れたことはない」の台詞のとき彼が手に持っていたものが気になってじっくり見たけど結局何かわからなかったのがほんのり悔しい。

追いつけなかった部分もあり、ラストも希望を見出しつつ今後に繋げる終わり方でしたが初見でも十分に楽しんできました。シリーズの今後の展開も気になります。