タイムラインで短歌と文章表現を始めたきっかけが話題になっていたので、過去を振り返ってみました。
文章についてははてなブログの前にLivedoorブログで漫画やドラマの感想を書いていた時期があったし、小説も一次創作と二次創作をそれぞれ何本か書いたことがあります。
でも今やっている短歌との繋がりが深いのは何かと考えると、オリジナルでバンドと弾き語りをやっていた時期に作詞をして「感情やエピソードを叙情でくるんで押韻などの言葉遊びをのせる」楽しさを知った経験だと感じました。
短歌で31字に収めるのも好きだけど、歌詞は1番と2番で視点を変えたりできるのが面白かったな。あと当時は1曲の中で基本的に同じ歌詞を使わない、繰り返しを入れないことがこだわりでした。これは確実にBUMP OF CHIKENの影響です。
当時のデータをPCから発掘し、ひさびさに何曲か聴き直してみました。発声も演奏も拙いものの、やっぱり愛着があります。
ただもしかしたらまだ黒歴史になっていないというか客観的に見えていないだけで、また時間をあけたら聴くに耐えないと感じる可能性もあるけど。
せっかくなのでこの機会に公開しようと、お気に入りで評判もよかった1曲を記事内で聴けるように設定しました。
上の埋め込みがエラーとなってしまう場合にはmp3ファイルへのリンクから再生できます。(別ウィンドウで開きます)
作曲や音楽理論のことはわかっていなくて、これは当時のバンドメンバーに作ってもらったコード進行にメロディと歌詞をのせた曲です。ギターは今もう全然弾けないし何のコードを使っていたのかも思い出せない。
よかったら歌詞の全文だけでも見ていってください。Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Cメロ→サビの構成。
落ちていく砂みたいだ きらめくのは銀の幻
綺麗なだけじゃだめだって きっと誰よりも正しかった花は枯れて平行に線路は続いてく
ただ優しく在りたかったよ白い雨 水になって
一人だったことなんて一度もなかったのにね
ありふれた願い事も 幼すぎたあの日から
少しは変わっているから一日ずつ塗り替えて記憶を埋めていく
生きてるから 怖くないよ長い影 渦になって
届かないものばかりが光って見えるのはどうして
何度でも切り離しては
その手で選ぶものだけが全てと知っているから
短歌では平易さを意識しているので、よりポエミーというか結構違う雰囲気ではないでしょうか。あとは単純に年数が経って感性が変わっているというのもありそう。
歌詞の中で気に入っているのは「一人だったことなんて一度もなかったのにね」です。我ながらこの余白の含み具合が好き。個人的にこれを超えるフレーズはまだ作れていない!
あとは最後の「その手で選ぶものだけが全てと知っているから」を書いたときのことは今も印象に残っています。
年下の子に「来年はもう成人式だから嫌だ、歳をとりたくない」というようなことを言われて、その場では上手く答えられなかったものの後から(たとえば成人式で何を着るとかそもそも行くか行かないかとか、そうした選択を繰り返して自分自身ができていくわけだから怖がらなくていいんじゃないかな)と思ったのです。
そんな思いをワンフレーズに込めました。彼女に伝えることはできなかったけど。
こうして振り返ると、作品の一部として抽象化した箇所の元になったエピソードも案外記憶に残っているものですね。引き続き、記憶装置の役割も持たせつつ楽しく短歌を続けたいです。
(といっている間に行った舞台やイベントの記憶がいくつも薄れつつあるので、それはそれで感想文として残したい)