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フォアレーゼン兵庫尼崎公演 〜近松門左衛門〜 感想

2月11日に朗読劇フォアレーゼンの兵庫尼崎公演に行ってきました。初のフォアレーゼン。

出演は森川智之さん、田丸篤志さん、福原かつみさん、後から発表された喜山茂雄さんの4人。フォアレーゼン公式の先行でチケットを取り、福原さんのファン2人で連番してきた感想です。

 

会場 あましんアルカイックホール・オクト

前入りして宝塚も観たかったものの、前日が花組公演の初日だったのでチケットが取れず諦めました。

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宿を取っていた梅田から移動して、JRの尼崎駅からバスに乗って到着。

ここが会場のあましんアルカイックホールか〜と写真を撮ったけど、会場のアルカイックホール・オクトは更にひとつ奥の建物でした。(もしかして「奥」だからオクト?と気になって「オクト」の意味を調べてみたけど、ラテン語で8だということしかわからなかった)

開演前に阪神尼崎の駅前でお茶しましたが、駅前を軽く歩いた限りだとチェーン店しか見つからなかったのが若干の心残り。ちゃんと事前にリサーチしていれば土地ならではのお店があったのかも。

アクセス | ご利用案内 | 尼崎市総合文化センター

着いたら物販と合わせて、サイン入りの缶バッジが出るかも!という500円のガチャがあったので1回引きました。

入っていたのはフォアレーゼンの猫マーク入りのふせん。日常使いしています。

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立ち位置

当日開演してからわかった立ち位置は上手から森川さん、喜山さん、田丸さん、福原さんでした。

ベテランでキャストの記載順も先頭の森川さんは中央と思い込んでいたから驚いたけど、ナレーションも兼ねていたから上手というか端だったのかも。

 

本編の感想

近松門左衛門・日昌上人・淀屋/廣富・高田郡兵衛などの対話が、浄瑠璃の作品の言葉を交えながら織りなす、短編オムニバス。

近松が理想を見た尼崎。その土地に親友の息子であり、自分を浄瑠璃作家として返り咲かせた日昌の寺を建立するまでの出来事を語る。

https://x.com/vorlesen0217/status/1740341834336137316?s=20

綱吉将軍の時代、誘われるままに劇作家となり才能が開花した近松門左衛門と彼の作品に触れ交流を持つようになった僧の日昌が政の策略や「忠臣蔵」による動乱に翻弄され……というストーリーだった、はず。台本が手元にないので記憶で書きました。

 

森川さん

映画「怪盗クイーンはサーカスがお好き」と、オトナ♡プラネタリウムに出演していた印象が強い森川社長。世間一般での代表作はアニメのスラムダンクでの水戸洋平役なのかな?

席が上手側の前列で、かなりの至近距離で拝見したのでナレーションと役のときの表情の違いもよくわかりました。近松門左衛門を演じるときがらっと気弱そうな雰囲気になっていて、気の弱い役のイメージがなかったのもあり新鮮でした。

喜山さん

日昌僧侶が近松門左衛門をはじめ周囲に向ける思いや「自ら命を絶つというのは己が生を得るまでと得てからの多くの助けや繋がり、縁(えにし)といってよいものを無下にする傲慢」、「いくら才能があっても過激な創作で人心をいたずらに揺さぶるのはよろしくない」(※ものすごくニュアンス)といった言葉に素直に心打たれました。

それだけ心打たれたのも喜山さんの表現力あってのことだと感じています。淀屋の「ザ・悪いお役人」な演技も鮮やかで、トークパートで初めての朗読劇だったと聞いて驚きました。

田丸さん

田丸さんといえばアズール・アーシェングロット役のイメージ。理豊さん役が艶やかでした。

台本を持つ手元、指先がすらっとしつつも骨ばっていて綺麗だったのが印象的です。津田健次郎さんみたいにドラマ出演とかないですか?

福原さん

開演前の楽屋自撮りがHAPPYでした。和服が似合う!

劇中劇、それも近松門左衛門の過激な作風での女性役から荒々しい赤穂浪士の残党(でいいのかな)まで振れ幅が凄かった。観たかった引き出しの多さを体感できて満足です。

阿古屋やお初の役では、直近でリリースされていた遊女モチーフの演歌の収録経験が活きているんだろうな〜とファン目線から嬉しくもなりました。お初のか細い「殺して……!」がなんだかもう一周まわってあざとく感じて逆に腹立たしくもなったというか、日昌がいたずらに刺激的な表現は好かないと言っていたのはこういうことかと実感した気がします。

兼ね役で特に好きだったのは赤穂浪士の残党こと高田郡兵衛でした。これまで(個人的に触れた限りの他作品で)聞いたことがなかった力強い声色で。そしてラストにがっつり出てきて、想像していた以上にキーパーソンだった。

最後の最後、トークパートの捌け際にペンギンみたいなポーズをしていたのが可愛かったです。ペンギンというか、五関様のアクスタみたいだった。

 

トークパート

序盤に森川社長とまあまあしっかり視線が合った感じがして、若干気まずそうな表情をされていたような気がする+それ以降は気持ち下手方面へ視線を向けていたようだったのが申し訳なかったです。まるっと気のせいであってほしい。

皆さんがTシャツで出てきたとき、下手から上手にかけて段階的にボトムスのシルエットがタイトになっていっていたな。

あとはなんといっても短かったのが寂しい!もっと聞きたかったよ〜!森川社長の「ちちち、ちちち(鳥の鳴き声)」の話がちらっとでも聞けてよかったです。

 

おわりに

開演前にお手紙をボックスに入れましたが、終演後に誤りがあったことに気付いて帰り側に取り戻せるかな?と思って見たら既にボックスが空になっていた。回収が開演後なのか休憩中なのかは不明です。(誤りは、先日お渡しした次のお手紙で謝罪しました。)

演者さんが終始椅子に座っていての朗読劇というのは初めて観たので、プロの声優さんは立っていなくてもお腹から声が出るものなのかと驚きました。

改めて振り返ると、創作が多くの人の心を動かし作者までもがその才能に呑み込まれていった過程には「禺伝 矛盾源氏物語」にも通ずるものを感じます。あとはナレーションで世間に伏せられたと説明された出来事に対して、いわゆる陰謀論というのはこうして世に隠されたり脚色される過程で情報が錯綜して発生するんだろうかとも思ったり。

終演後のお写真、かしこまったVer.と社長撮影のリラックスしたVer.が見られて嬉しかった!ありがとうございました。

これを観て帰った翌日に両親と会い、お土産のりくろーおじさんを渡しつつ「近松門左衛門ゆかりの地で彼の半生についての朗読劇を観てきた」と推し活を若干盛って話したりもしました。アカデミックな題材で、実際に学びにもなってよかった。初フォアレーゼン、楽しかったです。

 

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