震えてるのは君のほう

You’re Dream Maker.

ミュージカルりんご 2022感想

自由劇場で11月20日の昼公演を観劇したミュージカル「りんご」の感想。

原作のノンフィクション『奇跡のリンゴ』は高校時代に読み、進路を変えた1冊です。

小説ばかり読んでいて文学部を受験するつもりでいた時期に知ってノンフィクションに感動。現実に起きていることをもっと知りたいと社会学部を選ぶきっかけになりました。

その頃に公開された映画も、リアルタイムで見に行っています。

 

キービジュアルとキャッチコピー「宇宙からのメッセージ」の圧に緊張しながら公演2日目に臨みましたが、しっかり楽しんできました。

初日の公演後にTwitterで感想を検索したらカーテンコールでの木村秋則さん登壇レポが中心だったので、ほぼ前情報なしで観ています。

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2022年の「フォーティンブラス」で初めて来て以来の自由劇場には入り口にぶどうのモチーフがあって、ぶどうを冠する箱で「りんご」とはこれいかにと思いつつ着席。

ステージの上手と下手が木のシルエットでふち取られていて、ミュージカルカラーで見た!と思いました。

一瞬、あれも自由劇場だったっけと錯覚したくらい。(COLORは新国立劇場の小劇場)これはもしや両作で美術または大道具のスタッフさんが同じだったりするのかと調べてみたけど、そういうわけではなさそうでした。

舞台上に木のシルエットを配置するっていうのが舞台(特に自然がキーになる作品の場合)の画作りあるあるなのかもしれない?

と思いましたが、COLORの舞台を改めて見比べると結構違ったな。

開幕後は前説?が始まり、そのまま本編に移行しました。屋良さんが「UFOっていると思いますか!?どう思いますか屋良さん」と呼びかけられて素で困ってい(るように見え)た様子が可愛らしかったです。

そのときの言葉が「どうやろなあ」みたいな感じで関西弁なんだ!と思った印象があるんだけど、今プロフィールを検索したら千葉出身とのことでした。関西弁に聞こえたのは幻?でも同郷なのは素直に嬉しい。

屋良さん、動きが軽やかで身軽な方でした。アクションや殺陣が多い作品でも見てみたい方。

そして台詞のひとつひとつに情感がこもっていて、だからこそ山中での「終わりにしよう」が辛かった。この展開があることはわかっていたのに、それでも目の前で繰り広げられると胸が苦しくなりました。

 

梅田彩花さんは小柄な身体にエネルギーがあふれていて、まるでディズニープリンセスだった!若々しくて、1998年生まれくらいに見えた。双眼鏡でじっくり見ていたら、指先にブラウンのジェルネイルがされていたのも印象的です。

小柄で細身で石原さとみさん系統なお顔立ち、の各要素が喧嘩せず(飾り気のない役でも幼すぎない程よいフレッシュさで、かといって「身長高く見える」わけでもない)自然なバランス感に惚れ惚れしました。

役によってもまた印象が違うのかなあ。自分も背が低いので、151cm界の星としてファッションなど参考にできたらいいなと思っています。

SHOCKなどでの評判を耳にしていた状態で初めて見て、すっかり魅力の虜になりました。もっと見てみたい!と思い、「禺伝 矛盾源氏物語」のチケットも取っています。

 

梅田さんは歌もとても素敵で、特にお母さん役の吉沢梨絵さんとのデュエットが一番好きでした。吉沢梨絵さんのプロフィールを調べて、劇団四季出身と知り表現力のルーツに納得。

それと細貝圭さんは妹が「ココア男。」のファンだったので最近はどんな感じなのかな〜と思っていたところ、いい意味でその先入観を全く感じさせられなかった。常に作中の役として舞台上に立っていました。

 

演出面で印象深かったのは、映像の使い方とストーリーの時間配分です。

映像がどんな感じだったか切り取られた写真がステージナタリーさんの記事で残っていました。2枚めの「農業」。

公式でスポット動画も出ています。

ミュージカルりんご🍎開幕スポット - YouTube

全体的にポップに作ってあって、原作からこういう膨らませ方にもなるのか!と感じました。過去に見たものの中だと「天使は桜に舞い降りて」のコメディ感にスクリーン上での歌詞表現を足したようなイメージ。

また映画と比べて原作の細かいエピソードまで拾われていた印象です。

 

展開の早さから1幕で終わると思って観ていたら、自然栽培が成功した直後の場面(映画はここでほぼ終わり)で暗転からの休憩でびっくりした。それでもトータルで2時間半足らずと短めではあったんだけど。

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二幕では無農薬で作られたりんごが評判になってからの活動(自然栽培に関する講演会や、少年院での農業指導など)が描かれました。そして、東日本大震災の影響で自然に近い農業への思いが強化された過程も。

地震のシーンは地鳴りで表現され、客席で一瞬焦りました。

木村秋則さんの「その後」と、彼の活動と信念は現在も続き広がっていると知ることができた点でもこの作品を観られてよかったです。

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帰りに、ロビーで販売されていた自然栽培のお茶とお米を購入しました。ほうじ茶の香りと風味が濃く美味しかったです。お米はまだ未開封なので、食べてみるのが楽しみ。

通販で数量限定の福袋を取り扱い中とのことなので、そちらのリンクも貼っておきます。

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