香水初心者が「Celes推し活」で推しイメージの香水をオーダーしました。
どれくらい初心者かというと、手持ちの香水は2020年に友人から貰った1点のみ。
31種類を店頭で試して私の好きそうな香りを選んでくれていたのに、ロールオンを使いこなせなかったこともあり日常的に香水を楽しむ習慣はつかず。
ラベンダーの香りだったので、ときどき蓋を開けてリラックスとリフレッシュに嗅ぐ程度でした。
Lavender , Cedarwood – The PERFUME OIL FACTORY
きっかけはnoteで「あなたへのおすすめ」に出てきた推し香水レポを読んだこと。推しがそこに「居る」感覚を味わいたい！と体験を決めました。
いわゆる「イメージ香水」は複数の香水店でサービスがあります。
複数のレポを読み各サービスを比較した結果、今回はオンライン香水店Celesさんの「Celes推し活」で取り扱いの既製品から依頼文に合う香水を選んでもらいました。
Celes推し活 【推しをイメージした香水をお試しサイズでお届け】
合わせて友人にもプレゼントでそれぞれの推し香水を頼んでいます。
先に書いた香水好きの友人ともうひとり共通の友人、2人それぞれの推しのリクエスト文も作成しました。
申し込みから到着まで
ロン・プンダク（舞台OSLO）
リクエストしたのは2021年1月の舞台「OSLO」に登場したロン・プンダク教授です。自担の河合郁人さんが演じた二役のひとり。
依頼文はGoogleドキュメントで作成し、その後フォームに貼り付けました。
届いた香水を踏まえて、香りに反映されていると感じた箇所は太字にしています。
舞台「OSLO」で河合郁人が演じたイスラエルの男性「ロン・プンダク」のイメージ香水をお願いします。
イスラエル・パレスチナ問題を題材とした作品の登場人物のため、歴史上の実在の人物でもあります。非公式で行われた対話の場「オスロ合意」にイスラエル代表2名のうちの1人として参加した30代の経済学者です。
外見は寝癖の残った茶髪に黒縁の眼鏡、茶色とカーキの服を着て大きなリュックを背負っていました。劇中その場面の季節が冬で、冬服を着た登場人物の中でもひときわ着込んでいたことが印象的です。
複数回にわたり極秘で行われた対話の初日、壮年の男性が集まって空気が張り詰めた中で明るく「どうも〜！」と登場しました。
初対面の場での挨拶が終わると、中立の立場で対話の場を設けた進行役が「後はみなさん4人で、こちらの部屋でお話をしてください」と告げます。
他の参加者が戸惑う中、舞台奥の大きく重そうな扉を押し開け笑顔で暗い奥へと入っていったロンの姿が印象的でした。
話し合いを終えた夜は、仲介役も交えた皆で食事をしワッフルとウイスキーに舌鼓を打っていました。そのため、重たく甘い香りのイメージもあります。
この対話はあくまで要人同士で交渉に入る準備として位置づけられていたため、イスラエルから参加していた教授2名は政府に依頼された法律の専門家と交代させられました。
門外漢は下がれ、と横柄に振る舞うイスラエルの法律家の態度に萎縮しつつも、交代する気はないと食ってかかる先輩教授に「少し外の風に当たりましょう」と促しその場を離れた場面も印象的です。
劇中ではその後の出番はありませんでしたが、史実上のロン氏はオスロ合意に関与したことをきっかけに晩年まで中東問題に関する研究や講演に務めていました。
演者の河合郁人もパンフレットの対談で「（彼が一人二役で演じた一方のエリート外務大臣ヤン・エゲラン役が強気でも押しに弱かったことに対して）頼りなく見えても周囲に流されないのがロン」と語っています。
このようにムードメーカーの面がありつつ、芯が強く周りを見ることもできた男性です。
約860字になりました。難しかった。そもそもオスロ合意が難しい。
字数制限がないこともあり、書き足し削りを繰り返し数日かけて書きました。
事前に推し香水のレポをできる限り読んで臨んだこともあり、メタ的というか「香りにどう落とし込んで欲しいか」を入れ込んだ表現にしています。
純粋に推しの紹介で送っていたら、また違う結果になったのかもしれない。
また苦手な香りや、避けてほしい香水（家族が使っていてそのイメージがある等）を明記すると考慮してもらえるそうです。
友人の分はそれぞれ400字程度でまとめ、本人に見せて確認をもらい計3点を注文しました。
一定額の注文で好きな香水のお試しサイズがつくキャンペーン中ということもあり、通常は申し込みから1〜3日の発送が3〜7日になっている状況とサイトに表示がありました。
それを見て1週間はかかると覚悟していたら、申し込みの6日後に到着。
今回の私の場合、具体的にはこんな感じです。
- 申し込み：火曜の日中
- 発送準備完了メール：金曜の午後
- ネコポスの投函通知：月曜の夕方
自分のオーダー1と友人の分2、キャンペーンのお試し1の計4本で届きました。
1本特に目立つ色があるな〜と思いつつ開封。ガラス容器と名刺サイズの解説カードでワンセットです。
写真は頼める中で最も大きいサイズの50プッシュ分。15プッシュ分で頼んだ場合は、同じガラス容器で内容量が少なくなります。
届いたのはメゾン マルジェラのジャズクラブでした。
ジャズクラブの明るい雰囲気とロン教授の無邪気さが結びつかないまま、キャップも開けず容器を手に取って嗅いでみました。
外国の大人の男性の匂いがした。パウダリーな香りというか、「香水！」って香り。
そしてキャップを開けたらフルーツの匂いになりました。マンゴーのような。急に幼い印象になりました。
「無邪気だけど芯のある人」でリクエストしたら「大人に見えて実は無邪気」をお出しされた。
そう来たか、と部屋で1人頭を抱えました。この段階でまだ1プッシュもしていないのに。感情の動きが大きくてコスパが良い。
Celes推し活で舞台OSLOのロン教授イメージ香水を頼んだらウイスキー色が届いた🥃🥰第一印象は外国の大人の男性の甘い香りで、そのあと深く吸い込んだら果実の無邪気な甘さに🥭 pic.twitter.com/2AfHzA7zcM
— 春🧘🏻♀️ (@ps2310201) 2021年12月13日
QRコードを読み込み、解説も読みました。
舞台はブルックリンのプライベートジャスクラブ。
カクテルを飲みながらシガーを燻らす大人の男のひとときをテーマにした香り。
ネロリやペッパー、レモンをトップに香り立つ甘くウッディな香りはラムやベチバー、セージ、バニラ、タバコへとユニークに変化していきます。
マルジェラの香水らしく具体的なストーリーを連想させるワイルドで稀有な香り。
男性はもちろん大人の女性にも似合うセンシュアルな香水です。
Celes (セレス) | Maison Margiela - Jazz Club(メゾン マルジェラ - ジャズクラブ)
ふむふむ。ユニセックス寄りの男性用。
固有名詞こそ合っていないものの、自然と人工の要素どちらも持つ甘さというのは最初の印象通り。
その後プッシュしたらそれまで分からなかったココナッツのような香りも広がって、また違った雰囲気になりました。
ひと吹きしたら一気にココナッツの香りが広がって、これはロン先生のというよりテリエもモナもウリも皆いて革のソファで和気あいあいとスコール！したあの空間の匂いだ！と思った☺️
— 春🧘🏻♀️ (@ps2310201) 2021年12月13日
河合郁人さんが演じたロン教授のイメージ香水とは何か違うな〜と感じたものの、舞台「OSLO」の場面を連想させられる香りでした！好みの香りだったのも含め大満足です。
ツイートしたとき勢いでウイスキー色の香水と言ったけど本当に合ってるかな？と心配していたら、実物と比べる機会がありました。
想像以上にウイスキーの色だった。
友人へのプレゼントレポ
ここからは友人の分です。
キャラクターと送ったリクエスト文、届いた香水を記録します。これまで聞いていた推し語りを元にプロフィールも簡単に調べて作った文。
書いた内容をLINEで確認してもらった際、2人から「まとめの天才」と褒められて嬉しかった！自己肯定感が上がりました。
平凡な文ですが、香水のプロによる提案に加えて、私からも「第三者視点での推し」を提供できたのがよかったのかと思います。
こうして双方HAPPYなので、代筆し合うのもおすすめです！と言いたいけど、対象がキャラ単体だった上に付き合いが長くて歴代の推しも知っているからこそできたのかもしれない。
元々は年末会って渡す予定だったものの、自分の香水を手にしてからQOLが爆上がりしたので2人にも早く嗅いでもらおうと郵送しました。
髭切（刀剣乱舞）
「刀剣乱舞」の登場人物「髭切」をお願いします。
淡いクリーム色の髪をした、柔和な雰囲気の長身の男性です。
白いジャケットを腕を通さずに羽織っていて、戦闘の際もその服装を崩しません。常に余裕を持って振る舞っています。
明るい色のビジュアルと飄々とした人柄からか、公式グッズで出たキャラクターイメージのお香は「生姜」の香りでした。（参考で記入しましたが取り入れてほしい、避けてほしいといった要望は特にありません）
身のまわりに頓着しない性格で、自分について回る弟の名前も呼び間違えるほどです。
決して周囲や弟を疎かにしているわけではなく、自らがさまざまな名前で呼ばれてきた過去を踏まえて名前には大した意味はないと考えています。
また鬼（嫉妬により凶行に走り、鬼と呼ばれた罪人）を斬ったことから、半ば意図的に執着を遠ざけているとも捉えられます。
達観しつつ情もある面の表現をお願いします。
テニプリでは幸村部長推しの彼女に「上着に袖を通さずとも軽やかに動く余裕」と、その達観に至った経緯を書きました。
届いた香りには無事「兄者がいる」と喜んでもらえています。説明文から良かったとのこと。
Celes (セレス) | J-Scent - Tsukishizuku (ジェイセント - 月雫)
とろける滑らかさと芳醇な甘さを持つ洋梨ル レクチエ、ほろ苦いベルガモット、レモン滴るジューシーで爽やかなトップノート。
ジャスミンサンバックとマグノリアの可憐なフローラルが広がり、螺鈿を彩る月雫（マザーオブパール）のしっとりとした艶ある美しさが姿を現します。
ラストのサンダルウッドとムスクのぬくもりが行灯から漏れだす淡い光を感じさせる、真に風雅の骨髄を知っていた日本人の美意識を捉えた陰翳礼讃が表現された香りです。
他に髭切や刀剣乱舞のキャラでイメージ香水をオーダーしている方のレポでは、意外と和の香水が少なかった。
と彼女に話したところ「これはゲームに忠実な限りなくベーシックな説明だから、ミュの要素とか各々の解釈が入ってくるとブランドも変わってくるのかも」と言われました。納得。
レオス・ヴィンセント（にじさんじ）
にじさんじの配信者「レオス・ヴィンセント」をお願いします。
年齢は29歳、薬品の研究をしていて公式プロフィールには「マッドサイエンティスト」と記載されています。
鮮やかな青い髪に緑の瞳で、険しい表情をなかなか崩しません。羽織っている白衣の胸ポケットに「まめねこ」という水色のマスコットを入れて可愛がっています。
事務所にじさんじでもっとも最近デビューした5人のうちのひとりです。同期の中では最年長ですが、活動歴4ヶ月にもかかわらず先輩配信者に対しても強気な態度を崩さない性格です。
ただゲームで失敗したり、先輩らに生意気さを面白がられた時には動揺したりと想定外の事態に弱い面もあります。
また喫煙者で、青のHOPEをよく吸っているためスモーキーな香りの要素もお願いします。（煙草の香りが強いものではなく、ニュアンスを感じる程度を希望します。）
青字の部分は「年齢とマッドサイエンティストも入れて」とリクエストがあり追加した箇所です。
テニプリだと財前くんが好きな彼女に向けて、彼のクールで強気だけども憎めないところを前面に出しました。
あとは煙草を吸うところが尊いと何度か聞いていたので、そこもピックアップしています。
とはいえキャラクターを構成する要素が多く、どれが拾われるかわからなかった。青いボトルのケミカルな香りが来るかな？と想像したり。
Celes (セレス) | Goutal – Bois D`Hadrien(グタール – ボワ ダドリアン)
日差しが和らぎはじめたトスカーナの夕方、レモンツリーの木陰の下、そよ風に当たり「ハドリアヌス帝の回想」を読みふけていると、黄金の光のゲートが開き、幻のローマの遺跡が姿を現します。
甘いフランキンセンスが神々のために燃えはじめ、モミの木のグリーンとまろやかに溶け合い幻想的に輝く永遠の安らぎを捉えた香り。
平和と芸術を愛した文人、皇帝ハドリアヌスのようなカラフルな人生に想いを馳せるカミーユ・グタールが母の調香したオーダドリアンを再解釈した香りです。
想像のつかない解説に私も友人も戸惑いましたが、好みの香りだったそうです。
「最初は予想外の爽やかさで驚いたけど、後からお香みたいな落ち着きとスモーキーさが出てくる」らしい。
この「後から」というのが、実際に店舗で香水を選ぶときの難しさでもあるとのこと。
最初はリクエストした本人に嗅いでほしいからとキャップを開けないまま郵送したので、気になります。
推し香水をきっかけに香水のよさにも気付けて、良い経験ができました。浴室に1プッシュするなど様々な使い方を調べ、順調に減っています。
皆様もよい推し香水体験を！
