どうも〜〜!舞台「OSLO」を観てきました。
最初こそ「シリアスな題材だから良い、権威のある作品に抜擢されたからすごいってものじゃないぞ」って変に意地を張った気持ちを持ってしまったけど、やはり良い作品でした。
(ここからがっつりネタバレします。)
毎回夢中で観ていて「引っかかった〜!」のシーンに何度も動揺しました。どのカーテンコールでも、この少ない人数で物語が作られていたのかと新鮮に驚いた。
そして合意成立の場面、「泣いているんだ。皆、生きてこのときを迎えられると思っていなかったから。」では見るたび胸に込み上げる思いが強くなりました。
ただ河合担としてどうしても彼の細かい動きや表情の変化を追ってしまって、全体を見切れないのが悔しかった。河合担の感情を捨てて観たい!とも思った。
でも彼のファンだからこそ、緊急事態宣言下でもなおこれを観ようと足を運ぶことができました。
多くの人は権威を持つことで横柄になってしまうけど、美味しいものへの感動や家族愛によってつながることができる。全体を通してそんなメッセージを受け取っています。
また自担が2役でノルウェーとイスラエルの人物を演じていたことで、これまでに漠然と持っていたイスラエル・パレスチナ問題への知識と印象がかなりパレスチナ寄りだったと気付きました。
大国アメリカを後ろ盾にパレスチナを迫害するイスラエル、みたいな構図を無自覚に持っていた。おそらく高校で世界史担当だった先生の思想が授業に滲んでいたんだろうと思います。
高校といえば、実際の映像が舞台に投影される場面では「映像の世紀」を見た授業を思い出しました。当時と比べ物にならないくらい切実に映像に見入った。
https://www.nhk.or.jp/special/eizo/sp/program/
予習および復習では、坂本担さんによるこちらの解説を読ませていただきました。
パレスチナ/イスラエル問題について(第二次世界大戦まで編) - ヨシナシブイシ
パレスチナ/イスラエル問題について(第二次世界大戦後編) - ヨシナシブイシ
引き続き勉強して、この問題について自分なりの見方を確立したいです。
劇中クライマックス近く、ウリとテリエが両国のトップを演じた場面について。
イスラエル側の責任者の位置を降りたことでやや緊張の緩んだウリがアルコールの勢いも手伝ってテリエを挑発し、ハグという一枚上手の対応を受けて膝を打ったという印象でした。
ただ他の方の感想を読んでみたら、思った以上にここへの言及が多かった。改めてこの場面の持つ意味を自分なりに考えてみました。
ウリは交渉の休憩中に交わされていた会話に思うところがあったのではないか、と思います。
「貴女方は、何故こんなことをしているのか」
「あなたが私達の立場だったら、同じことをしようと思うんじゃないですか」
「そう思わないから聞いているんだ」
「だったら、私の答えを聞いても、理解できないでしょう」
テリエとモナはなぜイスラエルとパレスチナの和平に乗り出したのか。
ウリはそれを知ろうとアラファト議長の演技に打って出た。そしてラビン首相の役を通してテリエの思いを引き出そうとしたのではないか。そして抱擁により彼の原動力「あの子供達に違う人生を与えてやりたい」の一端に触れ、愕然とした。
そうした場面だと解釈しています。
ここから、河合くんが演じた役の感想。
ヤン・エゲラン外務副大臣はキリッとした姿ながらも、モナのボディランゲージ(グーにした手を胸の前で並べる)につられる姿やテリエとモナの説得に押される姿が可愛らしかった。
エゲランは、何か言われたら「ああ、そうだな。」とすぐ納得しちゃうタイプ。
パンフレットの座談会での発言。一見頼りないロン先生より、意外とヤンのほうがチョロいな?と思っていたら、本人が近いことを言っていて嬉しかったです。
パンフレットといえばヤイル教授の相島さんと、ロン准教授の河合くんのビジュアルが載っていなかったのが悔しいな。あの二人でデフォルメのぬいぐるみが欲しい。着込んだロン先生が大きいリュックを背負った姿、ぬいぐるみに合いそう。
2役の早着替えは同じシャツとボトムスで、ジャケットとネクタイだけ変えて時短してるのかな?と思っていました。
でも同担さんと感想を話す中で「ロンはズボンのシルエットがゆるいから、ヤン用のピシッとしたスーツのズボンの上にロンのしわが入ったズボンを履いているんじゃないか」と聞いて目から鱗が落ちた気持ちに。
ラストシーンの「ロン・プンダク。2014年、ガンにより死亡」と台詞を発した場面では、猫背をいっそう丸めて目にも光がないように見えたことが印象的です。
和平を実現し切れなかった無力感を表したような姿に、コインロッカー・ベイビーズ終盤の「焼き切れた」ハシを連想しました。
オスロ平和合意の陰の推進者、ロン・プンダク氏死去(大貫 康雄) | ニコニコニュース
それにしても、話の都合上どうしてもヤンとロンの出番が3:7くらいの比率なので「(メインビジュアルにあるような)かっこいい河合郁人」を主目的に行っていたら若干拍子抜けしたかもしれない。
最後に、個人的な感想。
テリエらを突き動かした「世界を変えたい」という思いが、河合郁人さん本人が度々口にしている「ジャニーズの無用なタブーを無くしたい」という信念と重なりました。
実際に血が流れている出来事と、日本の芸能界のほんの一部をまとめることへの罪悪感もありますが、そう感じています。
ロン准教授が他の3人の前に一歩踏み出して交渉の場の扉を大きく開けた場面と、のちに交渉を外され憤るヤイル教授に「少し歩いてきましょう。新鮮な空気を吸いに」と諦念を含んだ表情で声をかけた場面が特に好きでした。
以前、バラエティで河合郁人として「A.B.C-Zが初のジャニーズゲストとして呼ばれた番組、大抵その後に別のジャニーズが出てる」と自虐めいて語っていたので。やるせなさの実体験が演技にもにじんでいたのかも、と重ねてしまいました。
他にはアフマド・クレイが父との思い出を話す場面で、あの石が〜と空を差す方向へきちんと視線を向けて笑顔で話を聞いていたときの表情も好きです。
ロンの役が「場を動かす無邪気さ」と「一歩引いて物事を見る視点」両面を持っていると感じたとき。「そのままの河合で(演じて)いいんじゃない?」 と坂本さんが言ってくれたというエピソードが改めて嬉しかった。
(ということを同担さんに途切れ途切れで話したら、私が気に留めていなかった場面の感想も含めていい感じにまとめてもらえました。許可を得て引用します。)
アフマドがイスラエルの言葉で挨拶してくれてるのにめちゃくちゃ態度悪いヨエルを見てアラビア語で挨拶するのとか、「あなた達はもう良いです」と言われ怒るヤイルに、少し歩こう、外の空気を吸いに行こうと言えるロンくんとか、めちゃくちゃいい子だし周りが見えてるし、1番初めに扉を開けるロンくんとかも、一見弱くて頼りなさそうなのに物おじしないメンタルの強さを持ってるし、ロンくんはただ無邪気で純粋なだけじゃないんだってことと、そしてそれがいつもの河合でいいという助言の話と重ねると...
...みたいな話を春さん(@ps2310201)としたのでロンくんを見ると泣く体になってしまった(???)
@abcz_yurinnuさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)
始めたことが本当に正しかったのか後々まで答えが出ないとしても、後に続いた人物の名前のほうが記録や人々の記憶に残るとしても。
ジャニーズに新しい風を入れたいと、信念に沿って突き進む姿をこれからも見ていたいです。
松本人志、A.B.C-Z・河合郁人を高評価「ジャニーズ内部から緩和させていってる」「すごくいい」 | ORICON NEWS
A.B.C-Z河合郁人、松本人志の言葉に感激「自分がやっていることが間違っていなかった」(TOKYO FM+) - Yahoo!ニュース
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