震えてるのは君のほう

アイドルと舞台 A.B.C-Z

「SHOW BOY」感想 LIFE MUST GO ON

シアタークリエで「SHOW BOY」を観てきました。約2年ぶりに来たクリエ、完全入れ替えの早さを忘れてた。

終演後にアンケートを書いてお手洗いに行って戻ったら物販が終わっていました。パンフレットとTシャツを逃してしまったので、お目当てがあるときは早めがおすすめです。

f:id:senyaitiya:20190720230928j:image

総括すると「キービジュアルの衣装ぜんぜん着てなかった」が先にくる。特に越岡さん松崎さん辰巳さん!ストーリーの伏線回収に加えて、漠然と想像していたイメージをハイスピードで裏切られた。舞台が現代日本だったこととか。1話から5話に区切られていたので、順に感想を書きます。

 

1話

秋山大河さんの「静かにしてくれます!!?こっちは寝てるんですよ!!」でもうだめだった。あのタクシー運転手を演じていた人だ、と1年越しにコインロッカー・ベイビーズへの思いを突きつけられました。支配人に乗り込まれて咄嗟に衣装掛けにアイロンをあてていた場面も好き。

1話から4話までそれぞれ4人と主に会話する、ペアにあたる相手はいたけど福田さんと秋山さんは動きやダンスがコミカルで、伏線を張るにとどまらず「まだスポットライト諦めてないんでしょう!?」と核心を突くやりとりも多かった。掴みには十分すぎるくらいでした。

福田さんに向けられた「そもそも顔がクールじゃないし」の台詞でそうかな…?と思ってしまった。少なくともふぉ〜ゆ〜の中ではさっぱりした顔だと思っていた。松崎さんと辰巳さんの彫りが深すぎるせい。

 

2話

越岡さん!好きだった!髭で顔の密度を上げて落ち着いた赤茶のジャケットを着たらこんなに輝く人だったなんて。あるあるのモノトーンや原色な赤とは違って衣装でなかなか見ない色だから、普段と違う魅力があった。私の好きな越岡さんはここにあったのか!という感じ。

ギャンブラーと聞いたときから負け続きかイカサマ師のどっちかだろうと予想していたけど、初めてのカジノだったなんて。しかも故郷の山まで売ってた。「妹の結婚式のために」って台詞が最初に出たときは走れメロスから取った嘘かな?と思ったけど、そんなことはなかった。

ミサキちゃんとの会話が微笑ましかった、TRICK番外編の矢部謙三警部補と御手洗未来ちゃんのやりとりを思い出しながら見ていた。だめなおじさんと利発な女の子のペアが好き。

観たのはWキャスト久家心さんの回でした。強気で流暢な台詞と年相応な弱気さの切り替えと物怖じしない演技で存在感が強かった。いっしょにピアノを弾いてからペーパームーンに並んで腰掛けて歌ったところはぐっときて泣いてしまった。

「人生って変えられる?」は行き場のない見習いマジシャンと母を失くした自分を重ねていたのかな。明確に言葉にされなかったけど、彼女が人生は変えられるって確信できただろうと思えるラストシーンでほっとした。

 

3話

ポスターの衣装からアチョーッ!ってカンフーするわかりやすいチャイニーズマフィアをイメージしていたけど、全然違った。ほんとに全編中国語だったから、歌詞で日本語出てきたときにかえって違和感があったくらい。思いがけず子煩悩パパな姿まで見られたのも嬉しい。

手錠で繋がれた通訳さんと甲板を走り抜けて3話の「ごめん、何も聞こえなかった」「もういいよ!」の謎が解けた場面が楽しかった。通訳のおじさまとのやりとりも支配人と歌い踊る場面も好きだったな。

あの金髪と楽しそうな衣装とメイク、松崎さんだからこそ似合っていたし「と、その前に」を唯一ひとりで(中国語で)やったのも含めて、松崎さんが今回私の中に残した爪痕は深かった。白塗りが似合う〜!

 

4話

序盤から何人もに「伊勢丹の袋」と言われてた辰巳さん。ハンチングとチェックのベストに縁が太めの眼鏡、マジシャンというよりコメディアンの衣装に近かったかも。伊勢丹の袋と呼ばれている芸人さんもいるし。

エンジェルにあっさり好きと言われていたあたり、あっこれ彼女は主演ダンサーと付き合ってないな〜と悟ってしまった。1話の段階ではエンジェルが二股かけてるのかとうっすら疑っていたんだけど。ネタバレは見てなかったものの、秋山大河に関するどんでん返しがあることは目にしていたので。

「俺もう32だよ」、「向いてないまま続ける方が辛いのかな」って吐露に本人を重ねずにはいられなかった。最初にマジシャンを首になったことを全く認めてなかったので、気弱さが余計に刺さった。あれも強がって意図的にとぼけてたんだったらどうしよう。

好きな台詞はエンジェルへの「もったいないことしようよ〜!」です。1話では不自然で怪しい台詞だったのが、4話でぐるっと意味が変わった。SHOW BOYの醍醐味そのものみたいな場面だった。

 

5話

神田沙也加さんの歌はやっぱりアナと雪の女王を連想した。彼女はどこか生身を感じさせない精巧さがあったというか、ひとり洋画の吹き替えみたいだった。女性らしい印象だったけど、マニッシュもすてき。

そして最後の4人の歌の一節に「30代でアイドル」とあったことで、1話や4話で感じていた彼らの素のプレッシャーに再び向き合わされた。役を離れた4人が多く務めるバックダンサーは広義でステージの裏方にあたることにも思い至ったりして。

最後にSHOW MUST GO ONって言葉が何度も出てきてたことについても。ジャニーさんのことは関係なく脚本が作られて公開されたことに、軽い言葉だけど縁を感じる。

私たち観客にとってショーは非日常だけど、出演や制作の皆さんにとってはそちらが日常なんだよね、という当たり前のことに気付かされた。観ていたときはどこか他人事だったけど、日常に戻ってから少しずつ自分の生活を冷静にマストゴーオンしようって気持ちになれた。

というか、これを書いてて気付いたけど、ふぉ〜ゆ〜の4人も「LIFE IS SHOWTIME」って歌ってたんだった。三段論法の成立。ときどき深呼吸してぱんと手を打って、皆それぞれに人生をマストゴーオンしましょう。