震えてるのは君のほう

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舞台「桃山ビート・トライブ 」再演の感想

「桃山ビート・トライブ~再び、傾かん~」東京公演に行ってきました。4月のヴァンステに続いて、二度目の六本木EXシアター。今回は渋谷駅からバスで行ってみたら、入口のほぼ目の前で降りられて便利だった。雨が降ってたので余計に。でも道路だから渋滞もあるし、時間に余裕がなかったらメトロで来る方が確実そう。

EX THEATER ROPPONGIへのアクセスは渋谷からバスが便利! | NAVITIME Travel

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「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」製作と聞いて「戦国鍋TV〜なんとなく歴史が学べる映像〜」を連想してたんだけど、より重厚だった。前知識を得てなさすぎる。予習なしでも問題なく楽しめる作品でした。

藤次郎が盗んだ三味線を初めて弾いた場面、最初に触ったときからものすごく上手かったけどあれは彼の心象というかワクワクを示していたのかな。全体的に若々しいパワーが溢れてた。山本亮太さん、再演ということもあってか三味線の演奏技術がとても高くてずっと圧倒されていた。ギターみたいに弾くの。和ロック的な感じ?(初演も経ている方のレポツイートによると、当時は単音で弾いてて今回はより技巧的になってるらしい。)いちおう三味線を5年くらい触っていたんだけど、古典の曲しか触れたことがなかったからこういう洋楽的な演奏もできる楽器だったのか!と思いました。三味線の皮を張るおじいさんとの掛け合いも楽しかった。おじいちゃんいいキャラしてたな。

あと劇中で何度か出てきた曲にあった三味線の入り、斉藤壮馬の「ヒカリ断つ雨」の出だしを毎回思い出してた。歌い出しのフレーズ「誰のせい」と音が同じ。

斉藤壮馬 『ヒカリ断ツ雨』(Music Clip Short Ver.) - YouTube

藤次郎やちほと比較して相対的に落ち着いて見えてた小平太、改めて原嘉孝さんとして顔を見たら雰囲気が違って驚いた。役の年齢はわからないけど、年相応に幼いというか。阿国一座に戻ったときの紫の衣装の方が似合ってるように感じたけど、何の要因だろう。パーソナルカラー案件?と思ったけど、原さんの顔立ちが優しいから柔らかい色が合っている気がする。ちほ一座の衣装が赤で阿国一座は紫を着ていたので、スポーツものの主人公チームとライバルチームのカラーって感じでテンションが上がった。

ちほちゃん、踊りもさることながら殺陣が見ていて楽しかった。藤次郎と同様に実際に近くにいたら苦労しそうだけど、フィクション的には楽しいキャラだった。阿国一座に戻った小平太を連れ帰ろうとしたときには好きなのかな?と思ったけど、最終的に藤次郎と小平太どちらとも恋愛関係にはならなかったな。そういうシーンがあってもよかった気はするけど、それどころじゃなく話が進んでたから無理に入っていなくてよかった。むしろ藤次郎と小平太の関係の方がボーイズラブ感あったかも。藤次郎の「お前が必要なんだ!、…いや、お前の笛の音が必要なんだ!」って台詞とか。

弥助について、信長協奏曲を読んでたことがあったおかげで来歴がすんなり入ってきた。信長が重用していた黒人男性。演じていた副島さん、そういうメイクかと思ってたらアメリカ人とのハーフだった。彼の片言でちょっとだけ舞台「トリッパー遊園地」のディーノさんを思い出した。途中に一回イントネーションが合ってて「今ちゃんと言えてたよ!?アンタほんとは流暢に喋れるんじゃないかい!?」って突っ込みを受けていたので、また後半どこかで流暢に話す場面が出てくるんだろうかと見ていたけどそんなことはなかった。あれは日替わりとかのアドリブだったのかも。

後半めっちゃ太鼓が大きくなってたのが面白かった。パッドが付いたりバチで叩くようになったり、アップデートするたびにドラムに近付いてた。初代の故郷の太鼓は一体どうなったんだろう。

そして出雲阿国星野真里さん、綺麗だったな。声や所作も含めて京の女性って感じ。終盤にちほに生き甲斐を思い出させてもらったと言っていたのもぐっときた。なんとなく出雲阿国は女性として踊る男性だと思ってたんだけど、検索したら史実で女性でした。そういえば女性の踊りが風紀を乱すと取り締まられたから男性が女装して踊るようになって、今の歌舞伎の形になったんだったっけ。

そしてセザンヌから星野さんにお花が来ていたので調べたらイメージキャラクターさんだった。いつもお世話になっております。アイブロウパウダーのチャコールグレーが好き。

セザンヌ/CEZANNE 公式サイト ~ずっと安心、ずっとキレイ~

今回チケットを取るきっかけになったMADE冨岡健翔さんも存分に堪能できました。アクロバットの見せ場も多くて、迫力ある踊りを理由に起用されたことがわかって嬉しい。冨岡さん、さっぱりした顔で体格もいいから紫の袴がよく似合っていた。

当時の舞手は女性ばかりの中、「これからは男も踊るんだよ!」と登場した新進気鋭の男踊り手2人組のうちの1人。台詞でも踊り手と言ってたけど、途端にニコ動っぽさが出てしまうな。あとこの設定でキングオブプリズム(のアプリ)にいる新キャラ、京都出身ストリート系ダンサーの双子を連想した。

幕間で小学校低学年くらいの女の子が「ちほちゃん強かった〜!」と言ってたのが微笑ましかったです。あと休憩15分の間にEXシアターの300円のホットドッグも食べました。たぶん次に来たときも頼んじゃう。

二幕は一気に「音と舞の咲き誇る世」の話が中心になっていた。単なる政権争いといってしまえばそれまでだけど、悪役だった石田三成にも作りたい日本があったんだよね。妖怪ウォッチのアニメのウィスベェ回で泣いたので、どうしてもウィスパーがかつて仕えていた石田三成に対する思い入れが強い。

彼の「歌や踊りで田畑が耕せるか!真に民衆を束ねるのは規律だ」って台詞に、少し前の自分を思い出してしまった。会社員になってからジャニーズのファンになって、このままオタクをしてても何も残らないんじゃないかと悩んだ時期があったので。日本全体のこととか全然考えてない自分の都合だから単純にいっしょにはできないし、結局全然やめてないからなかなかの頻度で舞台を見てるんだけど。楽しい。

とはいえ処刑や切腹の場面は見るのが辛かったな。下手にいたから(刀を振られたときに合わせて首を下げて見えなくしているのか…)と考えて現実逃避していた。来ていた小学生くらいの女の子とか大丈夫だったかな。話もちょっと後半は特に難しかったんじゃないか。

それと小平太はどうして阿国を誘って刑場に来たんだろう。結果ちほ一座に戻るきっかけになったけど、彼が見に行くに至った理由がいまいちぴんとこないな。藤次郎に会おうとした…?

クライマックスでは、こうして観劇を楽しめる現代はやはり「戦も身分の差もなく皆で芸事を楽しめる世」であることを実感できた。史実の豊臣秀次の理想の世がどうであったかはともかく、数百年を超えて「音と舞の咲き誇る世」が体現された結果この作品に触れられたことにぐっとくる。ラストに「音舞咲誇世」の垂れ幕が降りてきたのはちょっと笑っちゃったけど。おかげさまで音と舞の咲き誇る世の中を堪能させてもらっています。最後の最後、カーテンコールまで楽しかった。いざ!傾かーん!